長い人生だから楽しいことも悲しいことも沢山あった。でも結果的に考えれば、楽しい人生だったと思う。日本に生まれ育ったのは大東亜戦争終戦直後、俗に言われる民主主義国家、新憲法下のこと。直前の軍国主義国家時代だったら、とっくに寿命は尽きていただろう。社会の大きなうねりはちっぽけな個人の人生にも大きな影響を及ぼしていることは否定できない。10数年に及ぶ、基礎教育に関する小中高大学校が中心だろうが、教育を受けたり、自分の見分を基にいろいろ考えながら現在に至るも、思想の確立といったものは未だ見つからない。恐らく残された短い残日で発見できるとも思えない。
これからも日々迷いながら生きていくしかあるまい。ところで最近の世の中デジタル化時代とのことで単純思考の人が増えてるようだ。ものを考える時、細部のことにも拘りながら深く追求するためにはデジタル化は有効かもしれぬ。小泉新農相が言うように、米の作柄を判定するのに、従来の人手と手間をかけたサンプリング的判定法は実情とマッチしないから、全ての田んぼを宇宙から観て判定する方法に変更したいとのこと。どんな衛星を利用すれば可能になるか知らぬが、やればできるのだろう。
太陽光線であれ、空気の流れ、水の流れだってデジタル化も可能かもしれぬ。しかし時間の経過とともに刻々と変化する自然現象を、そこまで厳密に把握できたとしてどんな意味があるのだろう。今から先のことは何が起きるか分からないのが自然なこと。最近は地球を取り巻く空気の流れなんかがそれこそデジタル科学なんだろうが正確に分かるようになって、天気予報精度は格段に進歩した。それは多とするが物価対策にまで応用が利くかどうかは甚だ疑問。
未来のことは分からない方が夢があって良いのではなかろうか。最近は暇になったせいか、歴史がますます好きになり始めている。過去は分からないことも多いが全て事実の世界。それを指し示す文化遺産の数々。数日前NHK・BS2時間の大型番組「2時間で回る東大寺」を観た。もう一度観たいと思って今日問い合わせると、これは基からBS4K作品なので総合での放送予定は無いらしい。関東にも鎌倉に大仏はあるが、天平時代に作られた奈良の大仏とは大分趣が異なる。聖武天皇に思いを馳せる小生は、やはりアナログが趣味に合っている。
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