2025年6月11日水曜日

備蓄米騒動

 小生も同じだが人間は皆あさましいもので何ごとも損得勘定で考えがちだ。買い物では安い方が良いし、売り手に回れば高い方が良いに決まっている。商品価格は売り手も買い手も共に満足する点で決まる筈。米の飯は食べたいが高いので買い控えていたところに安い米が出てきたら消費者がとびつくのは当たり前のことだ。しかし米は日本では1年に1度しか収穫できない貴重な食材、米不足を経験した国民は今や殆どいないが、政府ではそれこそ非常事態を想定して年間消費量の約15%を備蓄している。

食料の自給率が40%と言われる日本だが、100%自給できているうえに毎年約3%を備蓄に回して5年間保存。5年経過した米は加工品とか飼料に回して売却してたのだろう。これを突如現れた新農水大臣が米価格の冷却剤として市場に放出し始め、あっという間に全国各地に設置されていた倉庫を空にした。確かに備蓄米制度が実施されて以来何十年経つか知らぬが、本当に役立ったことは殆ど無いかもしれぬ。新農水相は、今の世の中こんな制度は無くていいと思ったに違いない。

現在物価高騰で物価の安定は政府にとっても喫緊の課題。選挙も近いし自公政権維持のためには米価格の鎮静はどうしても何とかしたかったのだろう。小泉新農相も眦を決して踏み切り連日記者会見を開いてテレビで大見得を切っている。買い手の国民も拍手喝采のような報道だが、実際のところは未だ分からぬ。政府の見込みが当たって米価格が沈静化することは願っているが、当面は備蓄米に手を出す気にはなっていない。

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