最近は過大な夢と希望は抱かないようにしている。それにしても昨夕からのアメリカ大統領選の結果をテレビで観ていて思ったのは、敗れた民主党副大統領カマラ・ハリス氏ではないが民主主義の儚さだ。小生は1940年の生まれなので日本が軍国主義で覆われていたさなかに生まれ、小学校入学直前に新憲法が施行されて民主主義なる空気を吸いながらずっと今日まで生きてきた。
この社会の空気と言うか考え方は、地球上に生きる多くの動物の中で人類だけが思いついたもので、有り難いものかもしれぬと思ったりしていたし、今でもそうは思っている。しかしこの考えも突き詰めると影か蜃気楼のように儚く脆いものでもあるようだ。カマラ・ハリス氏がどう思っていたか知らぬが、彼女は今年の2月突然大統領候補になった時からずっとこの有り難さを唱え続けてきた。そして政敵であるトランプ氏は民主主義を信奉しない異端者と位置づけ非難を繰り返してきたものだ。
トランプ氏の最大の経文・お呪いは「MAGA」(メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン)だから、世界的観点からすれば民主主義からはかけ離れているのは確か。しかしトランプ氏にしてみれば3億人を超す全国民に対しては、カマラ・ハリス氏と同様に皆等しくハッピーにとの思いだろう。選挙結果を受けての勝因と敗因の分析は既に溢れかえっているので、ここでどれを紹介してもあまり意味が無いように思う。アメリカ人の約半分の人たちがこの選挙結果を喜び、残りの人たちががっかりしている。ハリス氏の今日の演説「希望を捨てずに頑張りましょう」に頷いた人もいれば、嘆くばかりの人もいるに違いない。
兎に角、選挙結果を受けて来年1月20日からはアメリカで新政権が動き出す。世界中の政府関係者は国益を損じないためにどう対処するか頭が痛いところだろう。既に新トランプ政権の顔ぶれが取沙汰されているが、副大統領のバンス氏、選挙期間中からトランプ氏が重用を言っていたイーロン・マスク氏、ロバート・ケネディ・ジュニア氏なんて人たちは日本外務省でも対応の仕方が分からず、情報集めに大わらわに違いない。
何と言っても問題はマスコミ予想が大きく外れた今回の選挙、マスコミの問題が大きく浮き上がってきた感じがする。
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