2024年11月5日火曜日

利害調整

 いつの時代も人間社会は複雑で、生存者にしてみると先行きの見極めなどはとても難しいような気がする。それでも最近の科学進歩で天気予想は的中率が高くなっているが、これとても、例えば台風の被害予想や地震の発生予想までは残念ながらとても及ばない。しかし考えれば医学の進歩で人類は増え続けている。これを生物学者がどう評価する知らぬが、医学の進歩だけではないかもしれぬ。個人的に考えても、生を受けて80有余年、現在は幼いころには想像すら出来なかった豊かな暮らしの中にいる。


一方、欲も限りない。まだまだ肉体的には若さを保ちたい、暮らしもこうなりたいなんて毎日のように思う。その上社会的にはこうなって欲しいとか欲張ったことも思いながら毎日の行動を決めている。しかし社会の変化だけはそうは簡単にいかない。日頃マスコミなどを通じて知る情報を根拠に、選挙で投票権を行使するだけのこと。個人的なことについてはある程度の試行錯誤は出来ても、社会は大勢の人が関わること。家族一つとっても自分の考えが全員に支持されるとは限るまい。その社会が村や町を超えて拡がっていけばもうどうにもならない。大勢の人の利害を調整するにはそれなりの知恵や権力も必要だろう。

特に経済問題はお金を巡る問題なので、正解を得るのは相当な知恵者でも困難らしい。このことについては素人がどのように言っても大多数の賛同を得ることは出来ぬだろう。それは当たり前で、国民民主党代表玉木雄一郎氏のように誰もが認める秀才、又は経済の専門家であっても同じこと。国民全体にとって矛盾が生じない経済政策なんかあり得ないことは一番よく理解されている筈だ。それを承知で提案している103万円の壁乗り越え戦略。窮地に陥ってる自民党にも玉木氏と同期、同じキャリアの知恵者木原誠二氏が遂に表に出てきた。彼は頭が良すぎて岸田氏の補佐官時代に、週刊文春で私生活を徹底的に叩かれていたので表に出ることを慎んでいたようだ。

しかし、ほぼ同じキャリアの玉木氏にここまで強気に出られると、もう引っ込めていられないと言うことになったのだろう。幸か不幸か石破首相の子飼いと言える人物は殆ど無きに等しい。今度の総裁選で杖とも柱とも頼った外務大臣に据えた岩谷毅氏でさえ元は他派閥。これからの1年くらいは、国内政治の混乱はさて措き、誰が舵を握っていつか知らぬが、利害調整の舵取りが難しそうだ。

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