戦争の臭いを少し知ってるかも知らぬが、戦争経験の無い我が世代に残念ながら傑出した人物は少ないが、中で感心できる仕事を残している人が何人かいる。その一人が評論家の保坂正康氏。今年になって単行本も出ているが、未だに月刊文藝春秋連載を続けている「近代日本の地下水脈 哲学なき軍事国家の悲劇」は毎号実に分かりやすく政治家の正体とあるべき姿を描き出してくれている。
氏が近代日本の政治家に採点表のようなものを突きつけたのが先月号に掲載された「石橋湛山と歴代首相の通信簿」なる一文。無断でやや長めに引用させてもらう。中にこう記されている。「私は歴代首相を好悪は別として分かりやすく四つに分けて評価することがある。別格は歴史から呼び出されたような特別の存在で、第2次世界大戦を終戦に導いた鈴木貫太郎、一国の首相という立場を超えて近代化の日本の理念を提示した石橋湛山、庶民の欲望を政策化した田中角栄がそれにあたる。
続く【A】は時代の中で重要な仕事を成し遂げた首相:具体名は引用を省略。【B】は独自の存在感を示した首相:具体名は引用を省略。【C】は反国民的存在、また首相としての政治的意思を示さなかったタイプで東条英機が典型である。2000年以降の多くの首相たちも、残念ながらここに入る。」引用終わり
現在の岸田首相は初代伊藤博文から数えると64代目になるそうだが、岸田氏に対する採点は文中では控えているが、これまでの行いから歴史的に評価に値することが無いのは当然として、最後に評価の尺度を書き加えている。(1)在任期間(2)事績と哲学(3)退陣の美学を持っていたか(4)回顧録を残し、歴史の審判を仰いだか。以上4点である。
保坂氏は同支社文学部社会学専攻、電通PRセンターに一旦入社してからフリーになった。何となく自分と似た体質を感じるせいかもしれぬ。
2 件のコメント:
>岸田氏に対する採点は..歴史的に評価に値することが無いのは当然
私の評価として、岸田氏は日本を戦争に導いた張本人として、歴史の汚点に数えられるべきです。
呑兵衛あなさん
何時もコメントを有り難うございます。
貴兄ご指摘の通り、今現在日本は、ウクライナの戦争に完全に足を突っ込んでいますね。
結果何が起きるか分かりませんが、足を抜くことは難しいでしょう。
余命短い首相が全く罪なことをしたものです。
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