2024年3月15日金曜日

隔世の感

 現役時代はマスコミにどっぷり浸かった生活だったのに、年金暮らしになってからは全く縁が切れたしまった。それでも残っているのがテレビ、これは毎日最低でも3時間ぐらいは視聴している。新聞記事は一応ネットで見出し程度は読むが、中身を読むことは本当に少ない。雑誌は月刊文藝春秋を毎号買うが通して読むとは言い難い。同じく週刊文春を毎号飯屋で目を通すが、記事を読むのは精々20%程度のものだ。現在その中心は西﨑伸彦氏なる作家(未だ記者かな)が書いている「バブル兄弟“五輪を喰った兄”高橋治之と“長銀を潰した弟”高橋治則」が実に面白い。広告代理店電通が絡んだ物語だ。

マスコミが社会に及ぼす影響は、これも功罪半ばするかもしれぬ。それは兎も角として、それぞれの人には好みのマスコミが有るだろう。近年はこれにインターネット情報を加えなければいけない。これこそ当に好みで選ぶものだから、他人がネット情報を如何にしてるか聞けばその人の生活や思想が大分推測できる筈だ。と言っても、最近問題になっている<Tik Tok>なるサイトは1度も見たことが無いのでなんとも言いようがない。アメリカのバイデン大統領は選挙のためにユーザーになったそうだが、理由は勿論分からない。

なんと言っても現代人は生まれた時から多種多様なメディアと接触するので形成される想像力も自分の想像とは相当に異なることになる筈だ。先日驚いたのが広告費の伸び。昨年の日本の広告費はなんと7兆3千億円を超えてるらしい。しかもその中でマスコミ4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ:あえて古いもの順にした)が占めるのは2兆3千億円。インターネット関係広告費が3兆3千億円。記憶がはっきりしないが、小生が広告業界に入った1960年代は未だ新聞がトップで業界全体でも4千億円前後だったと思う。確かビール業界と似たようなものと聞いた気がする。

広告営業している時は後輩にこう言っていたことを思い出す。「広告営業なんて神社のお守りを売るような商売だ。ご利益のほどは証明しようがない。」しかし現在は、特にインターネット関連に於いてはだが、ご利益が証明されつつあるようだ。もう何の関係も未練も無い業界だが、隔世の感とは当にこのことだろう。

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