2023年11月3日金曜日

分かりにくさ

 大学入学当初から2年間、新宿の安アパート(6畳一間に1畳のガス台付き洗面所と半畳の押し入れとポットン便所付き)で同居してた兄から教えられた話を未だに覚えている。人生は特急列車の最後尾の展望車から風景を眺めているのと同じこと、次の瞬間に何が起きるかは誰にも分からない。更に、この列車の終着駅がどこであるかは既に決まっているが、本人はそれを知らない。兄は高木彬光氏の小説を読んで同感したとのこと。聞いた小生も「言われてみればそうかも知れぬ、先のことは余り考えないようにしよう」と思ったものだ。

以前から報道が何度もあったように思うが、昨日夕方の岸田首相の記者会見を聞いて、氏の言わんとするところが十分理解できた人は殆どいないだろう。氏はこの臨時国会に17兆円規模の経済対策予算を上程して、以て国家国民の経済対策とする旨をぎこちなく述べていた。と言うことは、氏は国民の皆さんの生活が苦しいことを、曲がりなりにも知ってはおられるようだ。しかし本当に理解は出来ていないと思う。そりゃ無理もないかもしれぬ、名家のご出身で東京育ちの氏にとって東京であれ、地元広島であれ、近くに生活困窮者を見たことはないだろう。

首相だからサポートするスタッフから知恵をつけられて、生活困窮者がいること、原因は30年に及ぶデフレにあると教えられた。しかし、現在庶民が苦しむ原因は、要因は別としてインフレ対策だから17兆円の補正予算を組んで国民に金をばらまけばなんとかなる。ばらまく時機は来年夏でも構わないと思いこんでしまった訳だ。その理論構成が矛盾だらけであることは措くとしよう。兎に角国営放送のゴールデンアワーに時間を割かせて演説する必要を感じたようだ。代表質問を含めて頭の40分を残らず視聴してしまった。

ツッコミどころが多すぎて短くまとめることが出来ない。今日から野党だけでなく与党側からもかなりの質問、批判、非難が噴出するだろう。ここでは1点だけ、ネット上からの引用を引いて読者の判断を待ちたい。「令和5年度国家予算」で検索して頂くと判りやすい。冒頭は「2023年度・令和5年度の予算。一般会計の総額が過去最大の114兆3812億円となりました。この財源を賄うために新たに発行する国債は35兆円を超えていて、財源の3割以上を国債に頼る厳しい財政状況が続いています。」

具体的項目トップは次の通り。「防衛費」は、6兆7880億円となっています。政府が5年以内に防衛力の抜本的強化を目指す中、2022年度の当初予算より1兆4192億円増えて過去最大となりました。さらに、「防衛力強化資金」という新たな枠組みを設け、外国為替資金特別会計の繰入金などで3兆3806億円を計上していて、これを合わせると防衛関係の予算は、10兆円を超える規模となります。長文になりすぎた。乞ご容赦

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