2023年5月8日月曜日

喧嘩と償い

 岸田首相が昨日韓国を訪問、徴用工問題について「心が痛む思いだ」と表明とのこと。日本は過去朝鮮を完全に植民地と言うより、日本化して支配下に置いた歴史がある。現地の人達には植民地支配よりきつかっただろうと思う。満州や台湾なども同じと思うが、現代の日本人は、先人が残したこの古傷を理解できていないようだ。西欧諸国の植民地はアジアにも沢山あるが、日本のように本国と同じ生活様式、例えば日常言語から宗教に至るまで強いられた国は少ないのではなかろうか?

日本の方式は独特だったから、現代日本人がアメリカを称えるように日本を称えた人が居たのも事実だろう。しかしそれは飽くまでも仮初めの姿だったということで、今日になっても恨みは消えないし、永遠にあとを引くのだろう。兎も角、人は未来を知ることは容易ではないが、過去を知ること、掘り下げることは可能だ。個人でも国家で同じことだろう。日本人のように鬼畜米英と言ったことを一晩にして掌を返すように神様・仏様・米英様となる方が相当珍しいように思う。しかも戦後76年経っても、戦争相手国に恨みを一切言わず、全てこちらに非がありましたとの姿勢を取り続けるのは世界史的見地からしても稀有な存在と言える。

個人的に考えても、喧嘩の償いは難しい。若いときの喧嘩した人が居て、当時仲直りが出来たと思いこんでいた。しかし、互いに年を取ると、当時と立場が微妙に変わってくる。若いときの喧嘩で勝った方が負けた相手に依頼ごとをするようなことも発生する。そんな時、昔を思い出して負けた方が快く依頼に応えられるかどうか。人格の形成によって異なるかも知れぬが微妙だろう。国家間で言えば、アメリカやフランスととベトナムの関係、アメリカやロシアとアフガニスタンの関係、日本やアメリカとフィリピンの関係等々、検証すべき関係は多い。

そういった観点で考えると、イギリスが現在でも10数ヶ国の連邦国家を維持していることは凄いことだ。昨日一昨日の式典や祝賀行事の報道を観て色々考えさせられた。一つにはイングランド・スコットランド・ウェールズの3州の連携が保たれている故かも知れぬなんて思ったりしたが、日本人のボケ老人には本当の源泉がどこにあるか、分かろう筈もない。

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