2023年5月7日日曜日

勝手読み

 囲碁用語に「勝手読み」がある。知識が浅い小生の囲碁では毎度出現して、結果大負けに繋がることになる。囲碁だけならお笑いで済ますことも出来るだろうが、重要な事柄でこれをしたら自分の身にも不幸が及びかねない。従って知らないことは知っていそうな賢い人の意見を聞くに若くはない。最近は娘たちの意見を聞くことが多くなった。本当は孫たちに聞きたいこともあるが、孫と合う機会が1年に数回しか無いので、残念ながらである。

ゲームは岡目八目で傍から見ている専門家には双方の欠点が見えてるに違いない。相撲や野球などスポーツの解説者の意見は聞いていて楽しいし、なるほどね、と思うことが多い。しかし大分趣を異にする戦争も戦いという意味では同じこと。双方ともに勝手読みの筈だから、スポーツと同じように専門家の意見を聴きたいが、テレビ出てくる専門家はどう見ても最初から何方かを「善」「悪」という目で見がちだ。この現象は少し危険ではと思っていたら今朝の朝日新聞デジタル興味深い記事を見つけた。

数ヶ月前学園内で防寒に刃物で襲われた社会学者の宮台真司氏の話。タイトルは[「脳内エコーチェンバー化」と日本特有の「空気」 宮台真司氏の抵抗]初めて聞く言葉なのでネットで確認すると次のように解説されている。即ち「自分と似た意見や思想を持った人々が集まる場にて、自分の意見や思想が肯定されることで、それらが正解であるかのごとく勘違いする、又は価値観の似た者同士で交流・共感し合うことにより、特定の意見や思想が増幅する現象。」

宮台氏は、日本社会には勝手読みの罠に嵌まりかねない危険が多分に存在している点を強調している。確かその通りだと思うので、問題を感じる事項については、なるべく多方面の意見を読んだり聞いたりするようにして、自分なりの判断を持ちたいものだ。

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