2023年4月19日水曜日

サミット予行演習

 家内を亡くして以来、それ以前の生活を改めて、日常をできるだけ安定させるために己に幾つかの義務的行動を課すことにした。その大部分は起床からの約4時間にある。昼間は生存証明代わりにブログを書くことと、運動になるので外食に出かけて往復1時間位は歩くこと。夜は何をしてもいいが、出来れば9時には寝ることぐらいだろう。これが我が身への政府流に言えば努力義務かもしれぬ。

決めたのも自分で、実行するのも自分だから違反しても罰則は無い。しかし、国民に対して行う政府発表に努力義務を持ち出すのは些か不見識だ。自転車に乗る時に本当にヘルメットが必要ならヘルメット着用することを義務化すれば良いだろうし、マスク着用も自主判断に委ねるのも少し無責任であると思う。一旦区切りをつけて、まずいと思ったら変更したら良いと思うが、日本人は微笑みもそうだが、あなたの判断にお任せの曖昧さが好きなようだ。

そんな性格の人柄、国柄だから日本人がG7の議長国になる資格は最初から無かったのだろう。サミットの予行演習がこれほど大騒ぎで開催してたことが嘗てあったかどうか、少なくとも小生には記憶がないが、先ず一番につい先日札幌でG7環境相会合が行われ、予想された通りに馬脚を現した。議長国である日本からは、西村康稔経産相と西村明宏環境相という「ダブル西村」が出席した。日本は以前からから世界によく知られている脱炭素に後ろ向きな国だから会議を招集すること自体が無理筋なこと。

会議終了後の共同記者会見で西村経産相が「福島東電第1原発からの処理水の海洋放出を含む廃炉の着実な進展、科学的根拠に基づくわが国の透明性のある取り組みが歓迎された。」と説明。同席していたドイツのレムケ環境相は腰を抜かさんばかりに驚いたに違いない。その場で西村経産相の「海洋放出を歓迎する」と述べたの発言について、「東電や日本政府の努力には非常に敬意を払う」と前置きしつつも、「処理水の放出に関しては、歓迎するということはできない。」と明言したとのこと。

何事においても曖昧な表現で誤魔化しが通用する日本自社会と異なり、言葉の意味一つにも一定の明確さを求められる国際社会のことだ。多くの外国人記者を前にした会見だから誤魔化しは通用しない。後に西村大臣は「「私の言い間違い」と釈明したが、手もとの原稿を見ながらの会見なのに「言い間違い」などありえない。今回の「歓迎する」という文言は、地元の強い反対を押し切って海洋放出を強行するために必要な「G7のお墨付き」のつもりだろうが世界には通用しない。

0 件のコメント: