2023年4月7日金曜日

利便性の追求

 昨夜から春の嵐で、終日強風が唸りを上げて吹き荒れている。外出する気にもならず家でぼーっと過ごしてしまった。もの心ついて以来の世間の変わりようで、最大ではないかも知れぬが、多くの人が二足歩行を極端に減らしたことがある。18歳の春、父から何かの役に立つかもしれぬからと勧められ、運転免許を取得した時には、まさか自家用車が持てる時代が来るとは夢にも思わなかった。しかし、意外に早くその時代が来てしまった。運転免許を取得して10年もしたら、会社の車を自分で運転していたと記憶している。

しかし、その後20数年くらいでその会社を辞めたしまった。それをきっかけとして経済的にも余裕がなかったし、自動車を持つこともやめて極力歩くことになった。歩行が健康によい事は誰もが知ってるが、自家用車に慣れた人はなかなか捨てがたいようで、ご近所さんはほぼ全世帯で自家用車をお持ちだ。これが社会に及ぼした影響は凄いものがあって、今朝のNHKニュース解説<持論公論>によると、昔、商店街の帝王のような存在だった地方都市の百貨店が激減しているとのこと。

消費者の多くは殆ど車で買い物に出かけるので、駐車場が無かったり、あっても狭い百貨店は敬遠され、次々に廃業に追い込まれていってるらしい。便利さを求める消費者の立場になれば当然のことだ。経営者側も色々工夫を重ねて頑張ってる店もあるようだが、都会のデパートを含め何れは時間の問題かも知れぬ。池袋では一昨年に月賦の丸井百貨店が無くなったが、現在周辺地域のを含め大規模な再開発が行われているの。新しい姿を見ることが出来るかどうか疑問だが、東京の再開発エネルギーは大したものだ。

利便性の追求は人間の性だから仕方ないが、先日から何回か触れているChatGPTの話題が今朝の朝日新聞に掲載されていた。元グーグルのエンジニア系役員による寄稿文である。言わんとする所は「マイクロソフトやグーグルのような大手IT企業は、世界中の人を無断でのビジネスや、場合によっては兵器の開発にまで利用している。非常に無責任で無謀だ。」言われなくても分かっているが、ではイーロン・マスク氏たちやイタリア政府のように、一般市民に禁止を命令することが現実もんだいとして可能かどうかだ。利便性の自己矛盾と言うべきか、表裏の問題は現在の大きな社会問題を投げかけている。

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