2023年3月9日木曜日

覇権争い

 好みに合わぬが「覇権」又は「覇権争い」ということを最近よく聞くようになった。主にアメリカが握ってるとされている覇権に陰りが出ているとのこと。中国がこれに対抗している図式で争いが使われることが多い。しかし最近中国の外務大臣に就任した秦剛氏によれば、「現在の世界は百年間なかった大きな変局に差し掛かっている。中国は自主独立の平和外交政策を揺るぎなく実行し、互恵・ウィンウィンの開放戦略を断固として堅持し、常に世界平和の建設者、世界の発展への貢献者、国際秩序の擁護者であり続けてきた。」として覇を唱えるつもりがないと言っている。

アメリカも「世界はわが覇権のもとにある。」とは言っていない。しかし民主的でない国家に対しては厳しい態度で臨んでいるのも事実で、それを歓迎する日本のような向きもあろう。とは言うものの、昨今パックスアメリカーナの箍が緩み始めているのは誰の目にも明らかで、今後世界が統一的に何処かの国によって抑え込まれることはないだろう。これは小生の見解でなくて、田中宇(さかい)氏なるジャーナリストの記事からの受売りである。

因みにこの人物は放送とか新聞雑誌の出身でなくて、共同通信の外信部に一時(1987年)入社2008年独立。インターネットで世界中の新聞などを読み、照合・分析して解説を加えるという独特の報道スタイルを取っている。そして、世界情勢は「米国一極覇権主義から多極化に向う」とする仮説をもとに解釈を試みている人物でだいぶ前から彼のメルマガを読んで参考にさせてもらっている。

田中氏は「日本のマスコミ全部が“客観”の意味を取り違えている」との考え。「英語の記事には、“世の中をどう見るか”と言うことが書かれたものが結構あり」「欧米のメディアは、あるコードに基づいて、ウソでなければ、自分で検証しながら、それを書いていい」。そのため「客観報道じゃなきゃいけない。記事に主観を入れてはいけない」という日本の報道スタイルを否定し、欧米流に倣ったスタイルを確立している。昨日テレビの力について書いたが、今日はその続きと思って読んで頂ければ幸いだ。

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