2022年6月2日木曜日

フジテレビとしては異色

 毎日のテレビ報道の中で、ウクライナの戦争関連に大きなウェイトが置かれていることについては異論はないと思う。また、その内容の意味するところだが、放送する側は毎日変わったことを伝えてるつもりかもしれぬが、戦争が続いていて、収束の見通しがたちそうにない状況に変化が感じられないので、観るに値しない。従って数ヶ月前まではよく観ていたBS・TBS「報道1930」やBS・フジ「プライム ニュース」をあまり観なくなった。

ところが、昨夜の「プライム ニュース」は非常に興味深く、思わず1時間以上視聴してしまった。と言ってもこの番組は2時間近い長尺なので、番組全部を観たわけでく1時間15分程度だったと思う。何が興味深かっただが、この番組はフジテレビの意見を色濃く反映するものだから、番組の色彩がいつも政府よりになるのを承知で観ていたものだ。しかし昨日は、フジテレビの意に反したのではないかと思っている。たまにはこんな番組があるのも良いことだ。

司会が反町氏と女性アナ一人はいつも通りだったが、ゲストが二人で両者とも元外務官僚。この二人の意見の違いが際立っていたことが興味深かった所以だ。一人は田中均氏、もう一人が杉山晋輔氏。前者はご存じの方も多いと思うが、小泉純一郎首相と北朝鮮金正日主席の歴史的会談と人質開放を実現に漕ぎ着けさせて有名になった。しかし彼は何故か官僚トップの事務次官になれずに退任している。後者は田中氏ほど有名でなく、大分若いが事務次官からアメリカ大使を歴任して昨年帰国したばかりバリバリのエリート官僚。最近はテレビ出演も多く、田中氏より多いかもしれぬ。

田中氏は「最近の日本政治、こんなにアメリカべったりでは困る。アジアの中の日本としてもっと独自色を見せてほしい。原因の一つが外務官僚のモラル低下にあるのも心配だ。」ととかなり厳しい意見。一方の杉山氏は「そう見えるかもしれぬが、アメリカべったりなんてこともないし、外務官僚もよくやっている。」と正反対の立場。口数は圧倒的に杉山氏が多い。杉山氏にはエリートの匂い紛々たるものがあるし、田中氏には後輩を若輩扱いする雰囲気が濃厚。

どちらが正しいか判断しかねるが、バイデン大統領を日本に迎えた岸田首相、議会や国民に説明する前に大統領に軍事費の増額を約束したり、ロシアへの制裁に関し当事者でもないのにきつい制裁を発動しているのも事実。中国やロシアとの外交関係はアメリカとは異なる立ち位置、と杉山氏は声を大に強調してたが、説得力にかけていたように感じた。互いに外交のプロだと田中氏は言ったが、続けて、互いの国が良好な関係ならばプロの出番はなくても良い。が印象に残った番組だった。

2 件のコメント:

呑兵衛あな さんのコメント...

私には、日本はアメリカの属国or植民地に見えます。
アメリカも、金がある日本はチヤホヤしてきたかもしれませんが、最近の日本は近い内にソデにされるだしょうね

senkawa爺 さんのコメント...

呑兵衛あなさん
いつもありがとうございます。
全く同感です。