2021年9月11日土曜日

海外留学

 知恵の向上や性格形成に大きな影響を与えるのは家族であるのは言うまでもない。5人兄弟でもあったので兄弟からの影響も少なくない。中でも次兄とは大学進学後東京で約2年半同居したので、大きな影響を受けている。次兄の言葉で今でも記憶に残っているのは「大学は何か学ぶ場所だと思うな。人生は4年やそこらで学べることなど殆ど無い。学び方を学ぶべき場所だ。どの辞書を引けば何が分かるか、誰に聞けば何が分かるかだ。」

兄も文系(法学部)だったので、学ぶべきことが多すぎたからそんな事を言ったのだろう。理系や芸術関係に志を持つ人は自分の進路を絞りやすいが、文系の人は今でも絞り難いかもしれない。例外は二十歳前後から金持ちになりたいと志を持つ人ぐらいだろう。幸か不幸か我々の学生時代、昭和30年代半ばはそんな発想ができず、兄も小生も同様で4年間暗中模索を続けていたようなものだ。

暗中模索にはいろんな方法論があり、中でも大きかったのが海外留学。今では裕福な家庭が増えたので、比較的簡単に選べるが兄の時代は勿論、昭和38年卒業の我が世代でも留学は高嶺の花だった。しかし友人の一人がそれを実現した。羨ましい気持ちで羽田まで見送りに行ったものだ。渡米先はアメリカのニューヨーク。かなり親しかったし、心配やら好奇心もあり何度か手紙のやり取りをしていたが、兎に角2年後に無事帰国してきた。しかし彼は渡米前と殆ど変わっていないように思い、不思議な気持ちだったのも事実。

実家の機械製作会社で海外事業部長に就任したが、彼が両親の期待に応えることが出来たかどうかは定かでない。留学に関しては身内にも一人高校からアメリカ留学を経験した甥がいる。彼の留学先はボストンで、ある年末年始の休暇で渡米した際に随分世話になったので頭が上がらない意味もある。彼は世界各国に多くの友人がいるようだが、それが彼の現在の仕事にどれほど役立っているかは分からない。

長い人生経験の中で、若い時から海外経験をすることは、それなりに大きな意味があるだろう。特に海外との関係が国を上げての時代なので、その管理運営に当たる政治家や高級官僚にとって必須であるのは当然で、異を唱えるつもりもない。現在自民党総裁選に出馬宣言をしている3人の候補者中、海外経験が一番とされているのが河野太郎氏であるのは言うまでもない。しかし先崎彰容日大教授(専門は近代日本思想史)が言うには、彼が一番無定見で無政策とのことだ。

小生は自民党全体が好みでないので彼に悪意を持つ必要も無いが、アメリカ政府が、レイムダックの菅首相をアメリカに招いたのは「河野氏を頼むぞ」との趣旨だとの報道もある。これには怒りを感じざるを得ない。

0 件のコメント: