2021年8月2日月曜日

側近

 子供の頃、他人を顔つきや身なりだけで判断してはいけないと言われたことがある。一方40歳過ぎたら自分の顔に責任を持つ必要があるとも言われる。人格が顔に滲み出るらしい。どちらが的を射てるかと言えば後者ではないだろうか。菅首相の三白眼はどうしても頂けない。医学的問題は知らぬが、日本では文学的に昔から犯罪者の目として扱われている。おまけに首相は喋り方が暗すぎる。首相に限ったことでも無さそうだが、政府高官には質問にまともな応答が出来ず、しばしば質問者に恫喝的な口調が出てしまうのも気になるところだ。

表に出ている政府高官は、このように些細なことでも非難を受けるが、昨日観た映画「パンケーキを毒味する」によると、安倍政権から菅政権を裏で支えている側近、代表格が警察官僚の杉田和博氏に北村滋氏。もう一人が国土交通省出身の和泉洋人氏。この3人がガッチリと全官庁の人事権を握って霞が関全体に睨みを効かせているとのこと。更にはマスコミに対しても裏で相当な圧力を加えたり、公安警察を通じて個人スキャンダルを収集して、いざという時はそれで恫喝をしたりしてるようだ。

それをまともに食らったのが前文科事務次官の前川喜平氏であることは有名で、映画でも出演して実相を語っていた。首相ともなれば忙しい身だろうから側近を多く抱えて頼らざるを得ないことはある程度理解できる。しかし個人スキャンダルを利用して都合の悪い人間を攻撃するやり方は如何ものだろう?自分もやられているのだから当然だろう、てな考えかもしれぬが、一昔前の名官房長官後藤田正晴氏も警察官僚の出身。彼も同じような行為に及んでいただろうか?

後藤田氏の姿を生前にあるマスコミ人の引退記念パーティーで見かけたことがある。いかにも好々爺といった風情で多くの人と会話していたし、演説を聞いても非常に穏やかなものだったことを記憶している。引き換え先に上げた3人の側近連中、彼等の肉声はマスコミにもめったに登場しない。年齢的に考えても、能力的にも5代将軍綱吉以上の権力者になった柳沢吉保のようにはならないだろうが、首相以上に陰に籠もった存在だけに不気味ではある。

最後に、他人の面構えで悪口を書いたのでお前はどうだと言われそうだ。己の顔は心の鏡、毎朝他人と逢う前にシゲシゲ顔を眺めて、できるだけ他人を不愉快にさせないよう努力はしている。それと大切なことは他人をジロジロ見ないことだ。昔は電車の中でいきなり「なにか文句があるか!}とケンカを売られたこともある。子供の頃から好奇心が強かったこともあり、知らず識らずに他人を見つめたりしていたのだろう。

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