2021年8月3日火曜日

遂に出た

お化けの話ではない。昨日政府は「新型コロナウイルス感染症への対応で感染者の多い地域では原則、入院対象者を重症患者や特に重症化リスクの高い人に絞り込み、入院しない人を原則自宅療養とすることを可能とする方針を公表した。」のことだ。現状でも感染者が急増している東京では、入院患者約3千人に対し、自宅で入院待機をしている患者が2万人近いことは先週来何度もマスコミで報じられている。

政府や都の関係者は、コロナ感染者用病床数は未だ5割近くの空きがあるとか、現在用意されている約6千の病床を更に増やす手当をしてるとか、能書きは色々言っても医療現場が危機的状態にあることは最早覆うべくもない。田崎史郎氏と言うボケ老人みたい自称政治記者が居て、彼は専ら政府のスポークスマンのようなことを職業と心得ている。その彼が昨日もテレビで次のよう言っていた。

「政府はこれまでコロナ対策として人流を抑えることと、飲食店での飲食の抑制の2本柱でやってきた。ところが西村担当大臣が飲食店に対し仕入先や金融機関から圧力を掛けさせようとしたことに強い反発が生じて、飲食店における飲食の抑制が効かなくなってきてしまいました。従ってもう打つ手は無いのです。政府の高官も、今月中旬には東京の新規感染者が8千人くらいにはなるだろうと言ってます。」

この老人の戯言はどうでもいいが、冒頭の公表は厚労省の正式発表である。先の大戦末期、日本の本土にアメリカ空軍機が飛来するようになった。その時政府は国民に何をしたか?「庭がある家は庭に防空壕を掘れ。そして空襲警報が鳴ったら家族全員そこに避難しろ。」と命じたのだ。冬場に野菜を埋ける穴蔵のような場所を用意しろとの命令、これが昭和20年夏の長野市でも隣組組織を通じて伝達され、在宅の女衆が大真面目で従った。

伯父が一人結核で在宅だったが、その騒ぎをせせら笑って観ていたことを思い出す。「そんなもので爆弾を防げるわけはなかろう。俺は入らないよ。」僅か5歳だったが「確かにそうかも知れない」と思ったものだ。今を去ること70数年前と今日のコロナ対策は何ら変わるところがない。要するに増え続ける新規感染者を入院させて治療に当たる対策を全く放棄して、感染したお前が悪いのだから往生しろと言ってるようなものだ。

予算が30兆円も余ってると言いながら、PCR検査の無料化を実現して検査を増やすこともないし、自治体の首長は夏休みの民族大移動を止めろと言っても、政府は手を拱いている。緊急事態は首都圏だけの問題ではなく、日本全体がその状況下にあることは分かっていないようだ。


2 件のコメント:

村松 光 さんのコメント...

お暑うございます。たぶん私の父のことですよね。
横沢のうちの記憶はありませんが、松代の家に小さな防空壕らしきものがあって、そこに若干の野菜が入っていました。
私はこんな程度で爆弾が防げるのかなと思いました。もちろん戦後です。
コロナはいったいどうなっていくのでしょうね。

senkawa爺 さんのコメント...

村松光さん
いつもありがとうございます。
お父上の思いですが、幼心に強烈に残りました。
本当に当時の政府は馬鹿だったと思いますが、今も余り変わりませんね。