2021年1月9日土曜日

悲喜劇

 首都圏では既に、やがては関西圏中京圏でも緊急事態なるものが宣言されそうだが、この宣言が何を意味するか理解することは難しそうだ。多くの人は4月に宣言された緊急宣言が記憶に残っている。全国の新型コロナウィルス感染者数が100人を超えたからとて発出された時で、国民一人当たり10万円支給されたことは有難かったが、全国民が驚き、緊張して自粛に入った。今回出された宣言は、どう見ても4月とは違っている。緊張感がないのは当然かも。

政府は一体国民に何を求めっているのだろう?はっきり理解できるのは、夜8時以降に飲食店に行くことは出来ませんよ、以外はなんだ?「医療体制建て直しにために大金を投じて支援を行う。」と聞いて医療関係者も一般市民も「今更お金で解決できるの?」と首を傾げるばかり。はっきりしているのは、飲食店の営業が厳しい制限を受けることだけ。今回は何故かパチンコ屋とかカラオケ屋は夜の営業時間は少し制限されるかもしれぬが、4月のほどの騒ぎにはならなそうだ。

感染者の数だけで言えば、現在は4月宣言時の70倍を超えてすぐにでも100倍になりそうな勢い。しかし首相曰く「我々は経験を経てこの感染症について様々なことが分かってきました。依って今回は限定的かつ集中的な手段を講じて1ヶ月以内になんとしてもこれを減少に転じようと思います。」「チョット待ってくれ、一体何が分かってきたのか教えてくれ。」世界中の専門家が長年掛かって正体を掴めずも四苦八苦している中で、ワクチン一つ開発できない国の責任者に許される発言である筈がない。

最近テレビを観ながら思わず吹き出す場面が多い。余りに荒唐無稽と言うか意味不明な発言が多いからだ。最近本当に笑ってしまったことを一つ披露すると5日から延々と続く「新型コロナウイルス対策の特別措置法改正案をめぐる政府・与党と野党の調整」がある。何が可笑しいかと言ってこれほど可笑しいことはあるまい。ここで話し合われている要点は色々あるのだろうが、中で最も問題になっているのは、特措法の実効性を高めるためと称して、「給付金と罰則をセット」を盛り込みたい政府の意向。

事業者へは百歩譲って良しとしよう、笑ってしまったのは個人へのこと。入院の要請に従わない個人に対しても行政罰として罰金を科してはどうかときた。いくら小田原評定と言っても、東京都だけでも入院したくても入院できない患者が既に東京都が用意したと言っていた4000床のベッド数を遥かに超えて5000人ほどに膨れ上がっているのが実態。現在の入院患者で使用しているベッドの割合70数%とされているが、これも大インチキ。

医療崩壊が始まっていることは明白。ベッド数で解決できれば誰も苦労しない。連日増え続ける患者のケアが既に不可能になっているのだ。コロナ患者のケアが出来る医師が全国どこに何人居るかを政府は知らぬ筈は無い。これを笑わずにいられようか、正に悲喜劇だ。


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