2021年1月8日金曜日

波乱の年明け

 新年早々から世間に対してなんの力も無い一介の年寄りが、社会現象を偉そうにあーだこーだと云うことに嫌気が差して、日々報道されるニュースに触れないよう避けてきたが、今日は流石に我慢の限界でニュースに触れたい。ところが触れるとなるとネタが多すぎて、何を取り上げていいか分からないくらいだ。トップは世界中の報道機関が取り上げている次期アメリカ大統領が正式に決まったこと、関連して現大統領の異常な言動で首都ワシントンでの死者が出た暴動の発生だ。

日本政府は公式コメントを発していないが、アメリカの友好国首脳は揃って遺憾の意を表明している。もちろんアメリカ国内、特に議会では現大統領を罷免すべきだという声もあるようだが、任期が2週間を切っているので実現が難しそうだ。むしろツイッター社が現大統領トランプ氏のアカウントを削除するとしたことの方が意味があるだろう。なんと言っても現地時間の昨日、全国から態々ワシントンに足を運んだトランプ支持者の殆どは世間の批判に反省するどころか、行動に誇りを持っているらしい。アメリカ社会の分断の分断の亀裂が如何に深いかを思い知った。

トランプ氏の今後の行動や処遇は知る由もないが、日本で流行っている言葉に習って「自宅でおとなしく自粛してくれること」が世界平和のためだ。この騒動を見て多くの人が感じたに違いないことに一言敷衍したい。暴徒の議事堂乱入と言えば、大抵の人は1960年の安保騒動の際、門前の警官隊とのもみ合いで樺美智子さんが死んだ事件を思い出すと思う。アメリカの場合はこれが無く、やすやすと議事堂内に乱入できている。死亡した女性は乱入後に射殺されたことが明らかになっている。他の三人も同様だろう。

昔一度書いたような気がするが、1976年にTBSが主催した団体旅行でアメリカに行き、ワシントンで議事堂見学した時を思い出した。アメリカの議事堂は市民に対して極めて開放的なのだ。普段は誰でも気軽に入ってロビーに陳列されている独立宣言文者なども観ることが出来た。逆に、当時日本ではかなり開放的であった政府機関(霞が関の官庁)の方が警備が厳重で彼我の違いを面白く感じたことを思い出した。

半世紀近い昔だから今ではだいぶ異なるのだろうが、それでもやはり大分日本とは事情が違いそうだ。日本は無機質の議事堂建物を守るために多数の警官を周辺に配置したが、アメリカは現在でもそれをせず、中にいる議員を守ることを優先している。結果がシークレットサービスか他の警備関係者か知らぬが、いきなり暴徒に対して発泡して撃退行動をとったことだ。

最初に国内政府のダッチロールを取り上げようとも思ったが、結局遠い国の話に終止してしまった。日本政府批判は明日に持ち越しだ。

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