2021年1月30日土曜日

日本外交

 現政権は国内のコロナ対策に追われて、外交まで頭が回らないのが本音だと思う。ところで、、外務大臣の名前さえとっさに出てこなかったくらいだから、こちらも他人のことは言えない。もちろん外務省の機能が停滞している、と断じるほどの見識は無いが、そっち方面に極めて明るい元外務官僚天木直人氏のメルマガを毎日読んでいたり、アメリカ在住の冷泉彰彦氏メルマガも毎週精読しているので、一寸心細さを覚えていることもある。

なんと言っても10日前にアメリカ大統領が交代した。これは日本にとって大きな出来事であるのは言うまでもない。それよりも大きなインパクトを受けている国は多い筈だ。言い換えれば世界中の国が、息を潜めてこれからの世界がどう変わるかを真剣に考えていることだろう。特に中国とロシアとイラン、北朝鮮も入れようか。対米関係をどう扱うか難しそうだ。

トランプ氏のように、すぐ拳を振りかざすことは無いにしても、戦争の危険が去ったとは言い難いだろうし、関税とか貿易とか経済を巡る戦いは、どちらも容易には手を緩めないだろうから緊張感は張り詰め放しかもしれぬ。そこで問題となるのが日本の立場。アメリカは日本については何も心配せず、黙っていてもついてくると思っているフシが見え隠れしている。しかし日本人も日本政権にもいろんな人間がいることをアメリカ国務省は百も承知のようで、様々な手を打ってきているようだ。

一昨日28日の夜やっとと言うべきかもしれぬが、電話に依る日米首脳会談が実現した。例によってマスコミは、互いに<ジョー>と<ヨシ>と呼び合うことで合意とか書いて単に有意義な会談だったと国民を安心させるために応援を送っている。しかしその割には会談の内容と成果を詳細に分析した報道は無い。それもその筈、この会談が行われたのは日本時間の28日深夜の放送業界で言えば24時半から30分間。

これは外務省が「それでも良いから」と頼んだか、了解したかだろう。天木氏のメルマガに依れば、会談内容は:日米同盟強化で緊密な連携をする事で一致・日米安保5条の尖閣適用で一致・米国が核の傘を含む拡大抑止を提供・自由で開かれたインド太平洋で連携・北朝鮮の非核化で連携・拉致問題の早期解決で協力・コロナ対策優先で一致、協力・菅首相の早期訪米で調整・気候変動サミットで協力;の多岐にわたっている。

そして感想は次の通り。「こんな多くの、しかも重大なことを、わずか30分の会談で話せたのか。ましてや合意できたのか。しかし、どの報道も疑義を呈するものはない。外務省の提供した情報をそのまま垂れ流すだけだ。」外交と言うよりメディアの問題かもしれぬ。

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