2021年1月22日金曜日

上下あべこべ

 昔の話を聞いたり読んだりしていると、戦が無くなって250年も続いた江戸時代でも、武士が責任を感じて切腹することがあったようだ。当時の武士は一般国民から見れば支配階級。殿様に仕える今風に言えば官僚であり、政治家にも当たるだろう。下々なる領民に対してお上の意向を指示・命令をしたり、執行したり、取り締まったりする役割を担ったろうが、代わりに下々の意見を聴いて、殿に上げる役割も担ったようだ。

江戸時代はこの殿様が300人くらいはいたそうだが、更にその上に江戸幕府があって、殿様も江戸幕府の命令は無視できない構造であったのは御存知の通り。江戸末期で日本の人口は約3300万人、武士は統計が無いので正確には分からないが、少なくても15万人くらいは居たらしい。その割合を現在の人口1億3千万人に置き換えて60万人強。今の国家公務員と地方公務員の合計が300万人を超えることを思うと、江戸時代の行政は随分効率が良いように思う。

しかも冒頭に書いたように、江戸の末期に至っても武士は働かずに食っていることに対する責任を常に感じるよう教育されていたので、自らの行為に対して恥じることがあった時に切腹することで責任をとったり取らされた例が少なくないようだ。こんなことを思ったのは植木等ではないが、無責任時代の現代のこと。これは常々思っていることで、なにも安倍晋三氏や菅首相のことを言いたいわけではない。

言いたいのは、つい先日ワクチン担当大臣が任命されたことだ。これって変だと思わないほうが不思議だと思う。別に河野太郎氏を悪く言うつもりもないが、彼って行政改革担当ではなかったかと思って確認したらやはりそうだった。なんでも行政改革担当という職位は暇なので任命されたように言われている。実態は分からないが、仮に暇であっても屋上屋を重ねる役職を増やすことに異を唱えない事はどう考えても納得できない。

行政組織に無闇矢鱈とチェックポイントを増やすことは、業務停滞の原因となることは勿論だが、何よりも責任の所在が不明確になる。結果的には安倍元首相に戻ってしまうが、「責任は全て私にあります」と言いながら何一つ責任を取らずに逃げ切ってしまう最高責任者を生む最大の原因だろう。現在医療機関のパンク状態が明らかになりつつあると同時に、保健所のパンクがはっきりしてきた。

先程観てたテレビで元鳥取県知事の片山善博氏が「保健所の業務こそもっと細分化して、民間企業に業務委託し、職員は保健師でなければ出来ない仕事専念すべきだ。」と言ったがこれが本当で、上部を複雑化しても意味が無く、下部の仕事をしやすくすべきだ。

2 件のコメント:

呑兵衛あな さんのコメント...

>と言ったがこれが本当で、上部を複雑化しても意味が無く、下部の仕事をしやすくすべきだ。

賛成です、
しかし、島国日本人の発想はドロナワ・場当たり的だと思います。
現在も戦時体制の半島や大陸はロックダウンでも毒ガスマスクでも、ワクチン接種でも行える体制化と見ますが、日本の場合は無理でしょう。
国民に知らせないで真珠湾を攻撃するのが精一杯でしょう。

スイス付近にある小さな村のような国家では、最高責任者を持ち回りで全国民がいつかは行うのだそうです。国民一人一人は、明日は自分の番かと思うと悪い事は出来ないのだそうです。
日本も、以前のような家制度に戻れば良いと思います。また、消防・警察のような組織は、常日頃の何も無い頃から鍛錬させながら遊ばせておけば良いのです。医師も同様です。
赤子が育つまでは無駄なおっぱいでも上げながら育てなければならないのです。やっと赤子を育てた爺婆は今、社会の邪魔者とレッテルを張られました。

senkawa爺 さんのコメント...

呑兵衛あな さん
いつも有益なご意見をありがとうございます。
本当に日本の政治家の無責任さには腹が立ちます。
韓国を馬鹿にする輩が多いですが、見習うところがたくさんありますね。