2021年1月19日火曜日

決断力

 昨日の朝見たテレビ(羽鳥慎一モーニングショー)の中で言っていたが、テレビ朝日の世論調査によれば「今年のオリンピック開催は出来ないと思う人」の割合が確か80%を超えていたように思う。このことを知って、日本の政治家は昔も今も変わっていないことを強く感じざるを得ない。先の大戦の末期、特に本土への空襲が始まってからは、多くの人がこの戦争に勝つのは容易ではあるまい、と思ったに違いない。

このことは自然だろうが、その時政府中枢でも少なからずの人が同じように考えても不思議は無い。いくらトップを始め大勢の軍関係者がいてもだ。政権の中枢に居ようと同じ人間である以上、日々確認する事実が同じであるなら、感じ方に大きな差が出るとは考えにくい。問題は人には立場があり、立場上自分の感じをそのまま口にできないことはあろう。理性を殺すと言うことが作用して、外に対しては内心とは全く逆の強気の発言に終止することになる。

周りにいる人もそれを知りながら、強気の発言を持ち上げて同調するので言葉だけが独り歩きするが、政権から遠い立場にいる人からするとかなりの違和感でしか無い。「人類がコロナに打ち勝った証」なんて言われても、打ち勝つ唯一の縁がワクチン接種らしいが、日本ではこれを担当する大臣が昨夜決まった。決まった理由が「閣僚の中で比較的暇そうだから」とあるから、本人だって何をどうして良いやら分からないらしい。国民にすればいい迷惑だ。

話が飛躍してしまったが、今年の夏に世界中がコロナに打ち勝つなんて夢のまた夢物語。さっさとオリンピックにはけじめを付けて、コロナ感染拡大阻止に全力を傾注すべきと誰もが思っている。菅首相がけじめを付けられない理由は想像するに、「皆がそう思っているなら何故俺が悪者にならなきゃいかんのか?そもそも始めたのは俺じゃない。IOCと直接コンタクトしているのは森さんだろう。」ぐらいのことだろう。

昨日のテレビには政権応援団の広報担当田崎史郎氏が出てこう言い放った。「主催者から言い出すとIOCにペナルティーを支払う必要が生じる。」何だまた金の話かと聞き流したが、今朝の同じ番組で、「ペナルティーは私の誤解でした。」と訂正していたが、結局はなんだかんだと経費が掛かるとかなんとか言っていた。言っている本人田崎氏だってオリンピックが開催できるなんて思っていないことは見え見えの感じで、何を喋っても全てが言い訳にしか聴こえない。

最後にはこんなことまで言い出した。田崎氏「国連とかIOC自らとか、そちらの方の判断でやっていくのであって、日本としては粛々と準備を進めるしかないのです。」決断はまるっきり他人事。菅首相の取り柄は決断力とも言われるが、とんでもない大嘘だ。

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