2020年12月3日木曜日

局面の変わり目

 昭和15年生まれだから先の大戦終了に依る社会の大変革は子供だったので、あまり理解できていない。なんの因果か終戦75年目の今年、他国同様日本も新型コロナウイルスとの戦いに入ってしまった。この終戦の目処はついていないが、何れ何処かの時点ではその時を迎えるだろう。それは政府が甘く考えるほど近い将来ではないと思うが、先の大戦が5年、考えようでは10年以上の長きになった程遠い将来でもあるまい。期待を込めて言えば我が命がある将来であって欲しい。

先の大戦は、少なくても初動の半年ぐらいの作戦はほぼ日本の計画通りに進んだようだ。しかし1年も経たないうちに計画の杜撰さが露呈して、足掛け5年悪足掻きをした結果甚大な被害が国民全体にのしかかる結果となった。このことは平成生まれの若い人でも少しは知っているはずだ。恐らく日本政府はその意識がないだろうが、コロナとの戦いが始まって既にまる1年。日本における戦局も新たな局面に入っている。

既に死亡者が2200人を超え、今月に入ると1日の死亡者が30人を超え始めた。如何なる根拠があるか不明だが、東京都知事は今月17日までに一山越えそうだとしている。その思惑通りに行けば結構だが、思惑が外れると1ヶ月の死亡者数が千人の大台に乗りかねない。google社の解析では、今月末には感染者数は5千人を超えると言っている。昨日今日の感染者数は未だ2千人強だから、あと4週間ほどで倍以上になる計算だ。AIの予測に小池知事の見込みが勝つとはチョット考えにくいが、勝つことを祈ろう。

話が逸れたが書きたかったのは別で、戦い週末期における指導者の立ち居振る舞いのこと。現在の指導者のそれが余りにも見苦しいのは書くまでもない。戦いの基本が敵の存在を明らかにすることにあり、それを求めて検査数を増やして探索する以外にないことは既に明白になっている。我が国では政府がウイルスに関する遺伝子工学の専門知識を有する学者の意見に聞く耳を持たなかったので、この対策の基本が採用されずにここ(ウイルスが全国に拡散)まで来てしまった。

一方で政府が打ち出したのが経済対策。これがまた噴飯ものでGo To一本槍、桶狭間で戦争しているつもりかもしれぬが、経済対策にしても本当に困っている人を見つけて、その人々にきめ細かく対策を講じるなんて夢にも思わぬらしい。どうしても先の大戦末期に重なって見え始めた。冒頭書いたように、先の大戦末期については知っているようで知らないのが事実。改めて先の大戦を指導した東条英機氏についてwikiで少し読んでみた。

開戦2年足らずでジャーナリスト出身の衆議院議員中野正剛氏が、反東條の狼煙を上げて自決に追い込まれるが、その頃からいわゆる重臣グループが反東條で連携し始めたと書かれている。それでも東條を実際に更迭できたのは昭和19年7月だから1年有余掛かっている。権力者を追い落とすことの難しさが分かるような気がする。でも安倍晋三氏は落城寸前、菅代官を追い込むまでそんなに時間が掛からないことを祈りたい。

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