2020年11月9日月曜日

判断基準

 本当のところは分からないが、人は脳に保存蓄積されている情報(即ち知識)に基づいて様々なこと判断していると思う。この情報がもたらされるのは第一が経験、次は読んだり聞いたりしたことと言えるかもしれぬ。従って現代の近代社会ではマスコミが人々に及ぼす影響の大きさは計り知れないほど大きい。極論すればマスコミによって世界が動かされている可能性すら無きにしもだ。マスコミ嫌いと言われるトランプ大統領でさえ、一般市民になったら新たな放送局を立ち上げようかとも思う、なんて言ったそうだ。小生もこの1ヶ月ほどの間、興味深く大統領選に関心を持って報道を見続けてきたが、最近では興味の中心が日米マスコミの報道姿勢の違いになってきている。

毎朝見慣れているワールドニュースにはアメリカの放送内容が少ないのが残念だが、他の国の放送でアメリカの放送が頻繁に引用されるので大凡の見当はついている。アメリカには国営放送局や日本のNHKのように国営もどきの放送局も無い。代わりに全国をカバーする民放の3大ネットワーク+2【NBC・CBS・ABC+CNN・Fox】がある。この中でCNNは反トランプで有名だし、逆にFoxは政権寄りとされ、前者の3社は比較的公平とされているようだ。

昨日行われたバイデン氏の勝利宣言だが、これも選挙結果が出てないにも関わらず3大ネットワークがほぼ同時に「バイデン当選確実」を報道したことに基づいている(+2局もほぼ同時に追随)。更に言えば、政権寄りとされているFoxが3大ネットに先んじてアリゾナ州で「バイデン当確」を報じていたことが印象深いし、投票日翌日の官邸(ホワイトハウス)での大統領記者会見を3大ネットワークは、会見内容に虚偽が含まれているとして、放送を途中で打ち切った。因みにアメリカには日本の放送法如く、放送局に対してお上が「放送は公平であらねばならない」なんて縛りは無い。彼らは国からなんの補助も貰わず、純粋に商業ベース(主はコマーシャルだろう)で事業展開しているから可能になるわけだ。

日本でも官邸での首相会見を「内容に嘘が多すぎる」として途中で中継を打ち切る放送局が出現するようになれば良いなと思うが、小生が生きている間には無理だろう。アメリカでは新聞も同じで、報道機関は経営者の判断で如何様に報道を取り扱うかを決め、読者や視聴者がその判断を支持する人がそのメディアを買ったりするだけのことだ。少し脱線するが、アメリカには発行部数が100万部を超える新聞も無い。数百万部の発行部数を誇る新聞なんて日本以外の国では共産主義国家だけにしか存在しないだろう。こういったことから、日本人が毎日受け止めている判断基準の情報が相当偏っていることが分かる。

日本のテレビに出演するコメンテーターを観ていると、この人物が日ごろ接しているメディアについて本人が言わなくても透けて見える思いがして興味深い。

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