2020年11月26日木曜日

スーパースターへの哀悼

 僅か150年ほど前の我が日本を欧米先進国から見れば、文化果つる夢の島だったに違いない。が実態は西から見ても東から見ても、この島国が文明開化から取り残されていただけのことだ。緯度が異なり温暖であったり、極寒であったりして、もっと文明開化が遅れればまた違ったろうが、幸か不幸か北緯30何度という中途半端な位置であったので、鎖国状態が維持されたが、結局は少し遅れて文明の波をかぶらざるを得なかった。

似たようなものでコロナ禍もおいおい本格化する勢いを見せ始めた。何処まで拡大するか分からぬが西や東の国々に傚うのを何処で止めるかだが、太平の夢は未だ覚めきっていない。火消しを担当する者同士が、さながら燃え盛る炎を前にして旗本火消しと町火消が喧嘩しているのを、楽しんで見ている野次馬ボケ老人だ。江戸時代と比べればお医者さんにしても学者にしても遥かに多いはずだから、難しいことはそちらの方面におまかせして、柔らかい話題について書きたい。

昨日プロ野球の日本一がソフトバンクが4連勝であっさり決まったとのこと。ソフトバンクなる親会社はインチキ臭くて嫌いだし、巨人軍と聞けば時代錯誤を感じるばかりでもっと嫌いかもしれぬ。野球ファンでもないのに言及するのは気が引けるが、どちらのファンにとってもストレートで決まりは感激が少ないのではと心配になる。こんな話を持ち出したのは他でもない、アルゼンチンのサッカー選手マラドーナ氏が昨日60歳で亡くなった報道に接したからだ。60歳の死亡報道はびっくりしないが、びっくりしたのはアルゼンチン全国民が3日間の喪に服すとのこと。

いかにサッカー王国とは言え、一選手の死亡で大統領までが服喪で公務を3日休むというのだからただ事ではない。政治の仕組みを知らないので分からないが、大統領がお飾りということはあるまい。どうもフォークランド戦争でイギリスに負けた翌年のワールドカップで、マラドーナ選手の活躍でイングランド戦に勝利した感激の興奮が国民に根付いているようだ。

何事につけ熱狂するのが苦手なので、プロ野球にしても国技とされる大相撲でも、熱烈なファン心理を理解できないのが正直なところ。だからアルゼンチンの国柄はもう全く理解不能だ。しかし反面で、そこまで国を上げて盛り上がる事象が存在することを羨ましく思ったりもしている。日本政府もオリンピックを開催できれば、世界中が祝福して日本国民に誇らしい感動が湧くことを期待してるのだろうが、それは無理というものだろう。JOCなる物々しい組織が作られているが、そこでは参加国の政府なり体協から選手の選抜を含む参加準備の実態を何処まで情報収集していることやらだ。

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