2020年11月27日金曜日

手紙とハンコ

 今年も終りが近づいた。いつも年末年始は女房が宿下がりをして実家で正月の準備をしていた。正月3日間我が家の娘一家やら義理の弟の子どもたち一家やらで訪問客が絶えないので、その分の料理を義母に代わって準備するためだ。これは結婚以来岳父存命中からの習わしとなっていた。岳父が亡くなって久しいので、さすがにその関係者は来なくなったようだが、代わりに親類縁者が増えたから3日分の仕込みは相変わらず大変なようだった。あらかたこちらで仕込んで送り出しても大晦日はほとんど寝る間が無かったらしい。

こちらは5日ほど独居となるが、逆にゆっくり休めて有難かった。大体紅白歌合戦なんて下らないテレビの音がしないだけでも大助りと言うわけである。その間1泊程度でお伊勢参りをして土産に赤福を買いこむ。そして正月早々にそれを持って横浜に年賀の参上するのが習慣になっていた。3年前に義母からすれば頼りの娘が先に逝ってしまったので、義母も寂しい正月にならざるを得ない。我が娘どももなんとか母親の分をカバーすべく頑張ってはいるが、所詮はもう他家の嫁、なかなか泊りがけでの応援は為難いし、大晦日や元日の訪問もかなわない。

小生も及ばずながらお伊勢参りを大晦日の日帰りとして、元日から参上することにしていた。ところが今年はコロナの騒ぎである。娘や義弟とも相談の結果、正月の年賀も欠礼させてもらうことになった。なんとも不義理が大きすぎて寝覚めが悪いので、今朝久しぶりに便箋を取り出して詫び状めいたものを書き始めた。ところがである、字が下手くそなのは分かっているが、字が思いだせず間違ってしまうのだ。便箋を2枚破って気がついた。これは下書きをしないからだ。

このブログでさえ毎日エディターで下書きして定時に上げている。だからエディターに下書きして書き直した。多分漢字の間違いはなくなっただろうとホッとした。82円切手も見つかり封筒の裏書きはハンコで済ませた。年内は未だ郵便の土曜配達がされるのだろが、郵政改革とは何だったのだろうななんて思いながらポストに投函。近年字を書く機会が激減していることは世の中が便利になってきている証拠だろう。

話が飛ぶが、昨日は敷地内でのガス漏れを指摘され応急措置で間に合わせていた配管工事が行われ、終日家にいざるを得なかった。3時頃にやっと工事が終了して確認書類への署名捺印を求められた。自分の住所氏名すら書くのが久しぶりだ。前から悪筆は自覚してるが、それにしても嫌になるほど下手くそな字である。将来はハンコすら無くなるらしいが、唯一立派な朱色のシャチハタ印が失われることを思うと寂しさが限りない。

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