2020年11月20日金曜日

攻守の問題

 たとえ相手が碁敵だろうとウイルスであろうと、敵国であろうと、戦いは攻めと守りが必要であるのは言うまでもない。ところが日本は先の大戦以降、国連から敵国とされているが、もちろん日本が国連を敵視はしていない。むしろ積極的に国連に協力して世界平和に貢献しているいる。従って我が国には敵国は存在しない筈だ。

しかし国内論議となると、安全保障ということがやかましいのは何故だろう?日本の領土と思っている幾つかの島がロシアや韓国に実効支配されていることもあり、尖閣諸島では中国と実効支配をめぐって小競り合いが続いている。これは先の大戦の置き土産のようなものだから、嘗て鄧小平氏が言ったように100年くらい先の民族の知恵を待つしか無いのではと思うが、歴代の政権はやけにこの小島の問題にこだわっている。

だからと言って隣接する韓国やロシアや中国を敵視し、小島の奪還をすべく何か戦略があるかと思いたいが、戦略的発想は聞いたことがない。まあ、時々話し合うふりをしながら放っておくしかないだろう。しかしマスコミは、こと尖閣については何故か神経質で、日本の主権を国内的に大騒ぎで煽っている。アメリカの大統領が代わる度に、尖閣で事が起こればアメリカが応援に駆けつけることを保証してもらうのが、一種の儀式になっているほどだ。

中国の国内では尖閣が中国の領土とされていることは厳然たる事実でもある。そして、実効支配に向けた準備を徐々に進めている風情は感じるのも事実かもしれぬ。互いの主張が食い違っていることは双方が承知しているのだから、時折互いに第三者を交えず主張し合う話し合いをすべきなのだ。それが独立国の外交だろう。「いざという時にはアメリカという強い味方が駆けつけるぜ。」なんて肩を怒らせても相手は痛くも痒くないだろう。みっともないだけだ。

せめて中国の出してきている中国海警局の装備に負けない船を海上保安庁に装備させて、365日対峙するのが当面すべきことだと思う。攻める前に守りを固めるのが勝負の鉄則だ。日本に国防族という政治家集団があるのかどうかも定かでないが、国防に関する戦略は国家にとって最重要課題であるのも間違いはない。専守防衛の基本に沿う時、国防族は今何をすべきと考えているのだろう?どうして解せないことがある。インド太平洋平和維持のための日米豪印四ヵ国同盟である。

中国の太平洋進出を阻止するためとされているが、既に行われたらしい合同訓練の映像を見ているとどう見ても攻撃型の訓練だ。予算委員会では何故このようなことが取り上げられないのか?これが日本防衛のために必要とはどう考えても思えない。尖閣で領海線を強化するなら分かるが、インド洋の果で他国のために戦争に巻き込まれる必要は全く無いはずだ。なすべきことがピント外れに見えて仕方ない。

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