2020年8月9日日曜日

キャリアと給料

昨夜のリモートミーティングは参加者が少なかったが、高校時代には互いに全く知らず、ここ数年来やっと知ることになった友人の来歴をたっぷり聞くことが出来て有益だったとも言える。彼は三菱電機で半導体関係の技術者として世界を又に活躍した後、少し早めに退縮して第2の人生は地元神奈川の大学教師として活躍したかしているかだ。こちらがゴルフから足を洗ってから同期のゴルフ会に参加し、最近腕を上げていると言うから大したものだ。

我々の世代は大学を卒業して社会に出たのが昭和30年代の後半(1960年代前半)だから、日本の製品が未だ外国では十分認知されていない時代だった。「トランジスタのセールスマン」と揶揄された池田勇人氏が未だ首相だった時代だ。だから同期の友人には海外で日本製品の販路開発や現地生産体制の基礎づくりに活躍した人が多くいる。昨夜の参加者3人のうち2人はその尖兵で、海外を知らない小生には興味深い話が次から次へと聞くことが出来た。

1時間半の終わり近くになってこんな話が出てきた。現在の日本は何故あらゆる面で活力を失い情けない国になってしまったかである。たしかに新しい産業も出てこないし、何となく国全体が我々同様の老化現象に悩んでいるとも言えなくはなさそうだ。「後30年寿命があればもうひと踏ん張りすのにな~」と嘆いたところで叶わないのは3人共分かっている。新しい友人の話が一段落した時、お前の話も聞きたと言われて困ってしまった。

もう時間も余り無くなっていたので、長々喋る必要はなかったが、小さな広告関係会社4社を転々とした事を簡単に述べた序に、転職の度に給料が下がっていったことに言及したところで小学校以来の友人が「それが日本社会の悪しき構造だ」と説明をしてくれた。彼は20年以上の海外経験があるので、彼我の社会制度の違いを痛感しているのだろう。欧米におけるキャリアアップは日本と全く異なる。

「欧米ではキャリアを重ねるごとに収入が増えるのが当たり前。大学を卒業したばかりの人間を各企業が競って同時期に大量に採用なんてことは日本にしか無い社会制度だ。高校なり大学を出たら先ず比較的小さな企業に採用してもらい、インターンでもなんでも良いから自分の実績を積み、例えマクドナルドの店長にでもなれば、それをキャリアとして次の売り込みに掛かるのも当たり前。そのように徐々にキャリアップしていくプロセスについて田舎の高校生でもみな知っている事実だ。」

彼が序にもう一つと加えたのが「日本の若者は源泉徴収制度で、税が給料から引かれるので納税者意識が欠如していること。」政府批判が高まらないのもこの制度によるところが大きいと思う。」今回の騒動でこのような日本独特の悪弊が変わるなら結構なことだ。

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