2020年8月23日日曜日

欲張り

 誰でも同じだと思うが、人間の欲望は切りがない。目の前に兎が2匹居るのを見つければ誰しもその2匹もろとも取って食おうと思っても仕方ない。しかし、前に1匹、後ろにも1匹を感じ取った場合に、それを両方取ろうというのはあまり賢明とは言えないだろう。舌切雀の童話によるまでもなく、欲張り婆さんは碌な目に合わないことは少し気の利いた大人なら誰でも知っていることだ。

にもかかわらず、日本政府はどこまでも欲張って二兔ばかりか三兔も四兔も追い続けている。コロナウィルスは封じ込めたい、経済をヘタらせたくない気持ちは分からぬでもないが、Go toキャンペーンの前倒し、オリンピック1年先延ばしの決定、IR法への固執はどう見ても支離滅裂でまともではない。結果的に1兔の尻尾でも掴んだならまだしも、虻蜂どころでは収まらず混乱のみが拡大している。

幸か不幸か野党の混乱が酷いので、政府は昭和20年夏の参謀本部よろしく命脈を保っている。しかし現場の混乱はいずれ何らかの他動的要因で解決されていくだろう。他動的要因が強く働きそうなのは言うまでもなく先ずオリンピック、どう考えても来年開催が可能になると考える人間は少ないと思うが、ローザンヌに構えるIOC本部も日本政府に遠慮しているのか中止決定を言い出さない。日本も傷をこれ以上広げないために1日も早く返上を言い出すべきだが、野党からさえその声は聞こえてこないし、マスコミの声も小さくて聞こえない。

IRは既に法案が成立しているので、誰もここで立ち止まろうとは言い出さない。近く国会が開かれれば法案通り3地点が確定するかもしれぬ。嘗ての参謀本部と同じで、一度方向を決定すると、それこそ天皇から声でもかからぬ限り、立ち止まって方針を変えることがありえないのだから困ったものだ。カジノは既にビジネス的に成功期し難いことは当事者が一番分かっていることで、知らぬは血道を上げている日本の関係者ぐらいだろう。

コロナ対策とGo toキャンペーンの前倒しは既に失敗が明らかで、一般国民は連日関係者の言い訳を聞いている。

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