2020年8月22日土曜日

見届人の不在

 昨日の朝4時過ぎに目覚めると、襖の隙間から漏れてくる隣の玄関の明かりが変な具合に点滅している。取り敢えず玄関の明かりは消したが、蛍光灯の寿命が尽きかけていることだけは確かだった。このところ昼飯を抜くことが多かったが、昨日は仕方なく暑い中池袋まで昼食に出かけ、途中で交換用の蛍光管を買ってきた。さて問題はそれからである。

玄関の天井に嵌め込まれた明かりの枠は木製で作られて摺りガラスが嵌められている。役に立たなくなった古い蛍光管を取り出し、新しい管に交換しなければならない。僅か58センチの短い管1本であるが、これが結構な難作業。木枠のどこを外して硝子板を交換するのか、家内が生存中に一度したような記憶もあるが、当然ながら手順は何も覚えていない。

先ず、独居になっても処分せず取ってあった金属製の踏み台を持ち出してきて、その真下に置いてみた。金属パイプ製踏み台の高さは60センチ、途中の中ほど片側だけに狭い踏み段が1段だけ付いている。天板は幅15センチ長さ30センチの長方形。戸隠山で蟻の戸渡りをヒョンヒョン歩いたのは60年以上も昔のこと。天板に登って明かりの木枠に手を添えて立ってみたが、既に足が震えている。踏み台の上で足の位置さえ変更できない。

家内がいないので、間違って転びでもしたらどうしたものか、不安がよぎる。誰に遠慮もいらない独居の気安さを半ば評価してたが、昨日だけは違って見届人の不在が大いに気になった。もし転げ落ちて頭でも打ったらどうなるかだ。幸いすぐ脇の壁際に作り付けの下駄箱があり、その天板がしっかりしていたので、片足をそちらに移動してなんとか安定的なポジションを確保できた。木枠の外しどころも簡単に見つかり、ガラス板も無事に引き出して下駄箱の横にそっと立てかける、そして古い管を取り外して前処理はなんとか終了。

次は買ってきた新しいLED管とグロースタータの取り付けだが、これに結構な時間がかかった。何となれば、築60年以上の古い家屋なので、管の受口に垂直の溝がない。何度も取説を見直すが、この溝が必須と書いてある。しかし今朝まで古い蛍光管が嵌っていたのだから嵌りさえすれば良いのだろうと勝手に決めて嵌め込んでみた。上下が逆だったり、グロースターターを左手で挿入するので逆回転になったりして一苦労も二苦労もあったが、兎も角交換に成功。

片付けの後、汗びっしょりになった体を拭いて、近くの自販機から110円で買ったカルピスソーダの美味かったこと、これぞ自分への褒美に他ならない。

1 件のコメント:

村松 光 さんのコメント...

蛍光管の取り換えご苦労様でした。当たり前なのですが、高いところでしかも首を上向きにする作業は大変です。我が家は二人いても半人前なので、こういう時は大騒ぎになります。近くに親切な電気屋さんがいますが、どうしても出張費を払わなければならないのでふたりしておっかなびっくりやっていますが、奥様がいらっしゃらないご不自由さをお察しして読みました。
市内にすんでいる92歳のおばあちゃまと仲良しなのですが、電気屋さんには足繁く来てもらって、だいぶお払いしているとのこと「大変よね」と同情しますが、手伝ってはあげません。私が転落してはなお困りますもの。