2020年7月11日土曜日

ファクターX

今日は燃えるゴミ出しの日、昨日「月刊文藝春秋」最新号を買ってきたので、先々月の号を捨てようかと思って表紙を見て気が変わった。タイトルの下に特集内容が特筆大書されている。<緊急事態を超えて:ウィルスvs日本人>とあり、トップが山中伸弥教授と橋本徹氏との対談である。2ヶ月前に読んだはずだが、あまり記憶が定かではない。最新号もトップが本庶佑博士と柳田邦男氏が日本政府のコロナ対策に警鐘乱打しているが、改めて2ヶ月前に識者が何を言っていたか確認したいと思ったので、取り敢えずゴミとして捨てるのは止めて読み直してみた。

コロナ騒動は元々昨年末に中国の武漢で発生して、そこから全世界に蔓延したことが明らかになっている。当然ではあるが対応も中国が早く、都市封鎖から国境閉鎖まで行ったが、時既に遅くパンデミックになってしまった。日本は中国にも近く人の往来が多かった割には発生が比較的遅く、都内で初の感染者(中国からの帰国者)が確認されたのは1月24日だった。その後、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が寄港して、ここで大量の感染者が報告されたのが2月始め。

今にして思えばその影響だろうと思うが、都内で感染者が発見されたのが2月の半ば(13日)しかし、この時政府は未だ対岸の火事を眺めながら、本格的に火の粉が降ってくれば消化可能と思っていたに違いない。それよりも開催中の国会で20年度の予算を通過させることや、今年開催予定のオリンピックへの備えの方が重要課題だったわけである。勿論野党議員は、事態を重く見て予算にコロナ対策を追加して組み替えることを主張していた。

自民党にも医療関係出身議員はいるが、政府は耳を貸した様子が見られない。平たく言えば最初から政府や東京都は事態を甘く見ていた。しかし年度末に至り国内でも感染が拡がるにつれ、付け焼き刃で素人じみた対策らしき事を始めるが、所詮医学的知識皆無のお利口さんの思いつきだから、やること全てがトンチンカン。結局は世界保健機関の推奨すること周回遅れでなぞる結果になってしまった。

周回遅れで追いつく努力をしてればいいが、恐ろしいことに日本は死者数が比較的少ない事実を背景に、手順の遅れをスキップして経済活動優先を声高に言い始めている。政府が国民に都道府県を越える旅行を勧めるに至ってしまった。自治体首長の間では必ずしも賛成しない向きもあるが、東京都知事は完全に賛成派。国民としては悲しいことだ。ブログタイトルとだいぶかけ離れたが、山中教授は当初から日本人死者数が少ない理由が分からないとしてファクターXと仮設を幾つか述べた。しかしそれは未だ解明されず、今朝の日経新聞によれば北大の西浦教授との対談で「対策なければ日本で死者10万人以上」と述べている。

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