2020年6月8日月曜日

市民運動の国柄

新型コロナウィルスの出現以来僅か半年足らず、このウィルスが人類にとって
如何に危険かは未だ判然としないが、世界が大きく変わりるつつある光景を毎日目の当たりにしているような気がする。特に最近強く感じるのがアメリカのこと。春先まで今年の11月に行われる大統領選挙に向け、現職トランプ氏の圧倒的優位が伝えられていたが、最近雲行きに変化が出ているらしい。トランプ氏の支持率が民主党候補に比べて後退し始めた直接の原因は、コロナと無関係な警察官の暴行事件。しかしアメリカはコロナの犠牲者でも世界最大であり、白人犠牲者に比べてアフリカ系市民の犠牲者が倍ほどになっていることとも関係があるそうだから、全く無縁とも言えないようだ。

何れにせよ、これがアメリカ社会の根底にあったとされる差別問題に火をつけた。市民のデモがここ1週間程か、今や全米各地を超えて他の大陸住民を巻き込み連日行われている。その数は半端ではないだろう。テレビを観ている限りは、日本のデモと全く違う。先ずこのデモのリーダーが報道でははっきりしない。警察官に殺されたジョージ・フロイド氏なる男性が如何なる職業であったかもはっきり報道されていないので、労働組合が音頭を取る理由もないだろうし、政治団体がリードしている訳でもなさそうだ。兎に角日本人には理解不可能だと思うが、学生時代に社会学を少し齧った人間としては非常に興味深い。日本でデモと言えば「安保反対」とか、「アベ辞めろ」とかお決まりのスローガンがあり、参加者が同じプラカードを掲げるのが相場だ。

しかし現在報道されている外国の映像を観ている限り、お決まりのスローガンもあるが、印刷されたものは殆ど無く大部分は手書きでダンボールに書かれたものや、板に紙を貼り付けたようなお手製の物が大部分。また地方によって規制する側の警察の対応がマチマチであるのも興味深いところだ。本来であればトランプ氏は、今週ワシントンにG7年首脳を招待してサミットを開催予定だったはず。計らずも予定変更になって醜態を見せずになったのは不幸中の幸いかも知れぬ。

トランプ氏だけではない。安倍首相もコロナ騒動への対応が遅れ、大幅に支持率を低下させてしまった。今週ワシントンでのG7サミットの出席を理由に国会をサボり海外逃亡を目論んだのにそれも外れ、日本にいる限り追求されることが山ほどある。自民党内の動きが全く分からないが、次の総選挙は安倍氏では戦えると思っている代議士は殆どいないだろう。アメリカと違い、野党の候補者の姿形が全く見えないのが残念だが、このコロナ騒動が収束した暁には世界の空気が一変することだろう。

0 件のコメント: