2020年6月9日火曜日

マスコミの責任

言い募っても仕方ないのかも知れぬが、国会終盤になっての論争で「スピード感」が問題になっている感が無きにしもあらずだ。昨日から審議に上がっているのは何でも令和20年度第二次補正予算とのこと。20年度は始まって未だ2ヶ月チョットしか経たない。そもそも本予算の成立は3月末のこと、これを誰も不思議に思わないとすれば、日本人の感覚はおかしい。1月は国会議員各位がお正月で連日新年会に明け暮れていたかも知れぬ。

しかし官僚の御用始めは通常なら5日、今年は日曜だったから6日の筈。海外ではコロナウィルスが問題化していており、中国武漢での凄まじい対応ぶりは連日報道されていたことをご記憶の方が多いと思う。1月24日には都内でも初の感染者が発見されている。18日に行われた屋形船での宴会出席者だ。その1ヶ月後にもならない国会に上がった本予算にはコロナ対策費用が1銭も計上されていない。当然ながら野党はそのことを予算委員会で厳しく追求したが、奢れる与党だから全く取り合わなかった。

そして本予算がめでたく成立した後、特別給付金が30万円だことの、否、一律10万円だとすったもんだの騒ぎを経て、コロナ対策が盛り込まれた第一次補正予算がやっと成立したのが4月22日。既に春たけなわになっていた。日本の感染者も既にピークをとっくに過ぎた頃である。それから更に1ヶ月以上経っている今日、どこをどう押せば「スピード感」なんて言葉が出てくるのだろう?

今となればテレビなんぞは「カラスの鳴かない日があってもコロナ関連報道の無い日は無い」状況もご案内の通り。おそらく多くの方が「もう分かったよ、当分大丈夫らしいから何も言わずにいてよ。」と思っておられないだろうか?少なくとも小生はそう思っている。マスコミは連日新しい案件を追いかけるのが使命であるかも知れぬが、社会の木鐸として社会が進んでいる方向が正しいかどうかをチェックする義務もあろう。

マスコミから予算案審議のプロセスについて特段の指摘がないので、代わりに愚考するに、なにか根本的に間違っているように思えてならない。せめて、本予算と4月に成立させた第1次補正予算案を合体させられなかったとしても、同時に審議してせめて3月末には上げさせるべきだったと思う。政権幹部はオリンピック延期が決まるまでは毎晩宴会していたのだから時間はたっぷりあった。問題はそこに誘導できなかったマスコミ側にあるのだと思う。

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