2020年6月3日水曜日

評価できない日本モデル

昨日の続きになるが、コロナ対策の給付金配布業務を受注している「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」については国会でも野党が追求して問題化している。しかし残念ながら、政府が「手続きが不明朗で済みませんでした。」なんてことには先ずならないだろう。だからこの事案に関して究明めいたことを書くのはもうしない。

ただ今日のネットに上がっていた記事が、コンピュータ技術者の中島聡氏という方の非常に興味深いブログを紹介していた。タイトルが「なぜ、日本政府が作るソフトウェアは使えないモノばかりなのか?」コロナ騒ぎのせいで、日本のIT化が隣の韓国や中国、台湾などに比べ非常に見劣りすることが明らかになってきた。故に政府は、この方面の遅れ挽回に拍車を掛ける姿勢を示すと思うので、この記事は非常に大きな示唆に富んでいる。

パソコンに触ったこともないIT担当大臣もいた日本政府のことだ。現在の梶山経産相はどうか知らぬが、心して読んでほしい。中島氏については初めて知ったので少し簡単な説明を加えておきたい。氏は早稲田大学大学院理工学研究科修了の日本を代表するシステムエンジニアで、一時マイクロソフトに勤務し、後に世界を席巻することになったWindows95生みの親とも言われているそうだ。Mixiには「彼はWindows95のプロトタイプをはりぼてのコードで作り、5分間のデモでビル・ゲイツの承認を得た。」との逸話が書かれている。

中島氏が具体的に指摘する前に書いた文章が印象的です。即ち、政府の世に送り出したシステムをラーメン屋に喩え、『「麺の茹で方がラーメンの命であることを知らないバイト君が麺を茹でている」ようなイメージです。これはバイト君が悪いのではなく、バイト君にそんな重要な仕事を任せてしまった店長が悪いのですが、さらに遡れば、そんな店長を雇ってしまう人事システムが悪いのです。』がここまで読めば十分だが、敢えて具体的項目を言えば次の5項目が上がっている。

以下引用:
1.政府から受注したITゼネコンには自らソフトウェアを書く人・書ける人がおらず、仕様書を書いて下請けに丸投げするだけ
2.その下請けは、大学でちゃんとソフトウェアの勉強をしていない文系の派遣社員を低賃金で雇い、劣悪な労働環境でコードを書かせている
3.書かれたコードをレビューをする習慣やシステムが存在しない
4.クライアントの打ち合わせ、仕様書の作成、見積書の作成などには膨大な時間を書けるわりに、コードのクオリティを上げることには時間をかけない
5.ITゼネコンには役所からの天下りが、下請けのソフトウェア会社にはITゼネコンの天下りが役員・顧問・相談役として働いており、ほとんど仕事をせずに「口利き」だけをして高給をもらっている。

などの、日本特有の事情があると考えて間違い無いと思います。:引用終わり

*明日は久しぶりに日帰り旅行に出掛けるのでブログは休みます。

0 件のコメント: