2020年3月22日日曜日

専門家の見解と政治家の判断

世の中には素人には分からないことが多いから専門家の意見は傾聴すべきだと思う。その専門家でさえよく分からないのが今回の新型コロナウィルスと言うところまでは承知している。だから専門家にお願いしたいのが、素人にも分かりやすい現状説明と解説の筈。政治家の発言が蛇かミミズか判別し難い意味不明が多いのは仕方がない。彼らは、今や時によって国民を欺いても自分の保身を図る因果な生業だ。

専門家は自身の知るところや見解を述べることが当たり前で、知るところを出し惜しみしたり嘘を付く必要は全く無いと思うが、最近の政府専門者会議後の発言を聞いていると、余りにも政治的発言が多すぎる。事実関係を意図的に色分けして、一般向けには概略で済ますが、会議を主催している官僚に対しては詳細を明かそうてな態度が目に余る。勿論自身の判断ではなく、官僚からの指示だろうと同情はする。

だから官僚や指揮に当たっている政治家に責任があるのは分かるが、専門家の口から「今のところ持ち堪えている。」を聞いても意味不明で辛くなる。先の大戦を思い出してしまうのだ。大戦は昭和16年(1941年)12月初頭に始まり、日本は太平洋のど真ん中ハワイや東南アジアに一気に進出して相当な成果を上げた。しかし僅か1年も経たない翌年の6月、ハワイより少し日本に寄ったミッドウェイ島付近の海戦で日本は海軍機動部隊が全滅に近い敗北を喫し、ほぼ負けが決まったとされている。

そしてそこから約3年、専門家であった軍部は負けたとも言えず、国内的には嘘に嘘を積み重ね、政治も壟断していたので国民を叱咤激励。ついに300万人を超す犠牲者を出して昭和20年(1945年)8月に国民に向け終息宣言を出すことができた。国民がどんなに疲れ切っていたか、今となれば書いたところで理解できる人は少ないと思う。当時でも国民の中には当然ながら専門家であった軍人や政治家にも負け戦を見通して、今突き進んでいる道が間違っていると声を上げた人もいた。残念ながら衆寡敵せずとはよく言ったもので、それらの声は蚊の羽音より小さかった。

当時最大の音量をを上げていたのが「愛国心」と「一致団結」だと思う。日本人である以上大切なことだろう。現在日本人の心には「折角入念な準備をしてきたのだから」との思いが強いのもよく分かる。しかし嫌な決断は早いほうが良い。遅れれば傷が深くなるのは必然。オリンピック中止となれば、その影響はかなり深刻になるだろう。その深刻さを金目で計算しても仕方ない。中止した時に起こる混乱に如何に対処するか(これは政治家の判断力の問題)具体策を決め、早めに発表できるようにすべきだろう。

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