2019年8月23日金曜日

外務省と言う役所

外務大臣が日韓閣僚会議で肝心の日本の輸出規制問題に関し「それは我が任に非ず」と答え、平然としてたことは流石に多くのマスコミが報道している。外相の出来の悪さは度々書いてきたので重複は避けよう。改めて思うのは日本の外務省に関し湧いてくる疑問である。ここ数日最悪状態になった日韓関係をテーマとするテレビ番組に元駐韓大使の武藤正敏氏なる人物があちこちに出演している。

武藤氏に限ったことでもないが 、一般的に外務省OBの解説は韓国に極めて厳しく、まるで話相手とするに値しない国であるかのような切り捨て方をする人が多い。外務省は異国人と話し合いのスキルを磨いた人物が任に当たる役所の筈。まして当事国韓国に駐在をした経験があるなら、その国の実情を深く弁えて、相手が今何を考えているかを丁寧に解説してほしいと思うのだが、誰の話を聞いても文大統領の考え違いを指摘する話ばかり。

即ち、自分の人気取りにかまけて世界観を見誤っているとか、真の国益を考えればそんな判断にはならないはずといった話ばかり。武藤氏が何年韓国に駐在したか知らぬが、韓国に対する愛情のようなものを全く感じないのが不思議でならぬ。こじれてしまった日韓関係の責任の全ては韓国にあると切捨てる始末。いくら日本政府から嘗てお鳥目を頂いたにせよ、韓国にはなんの思い入れも無いのだろうか。もしこんな組織の上しか見ない人材で外務省が構築されているなら、日韓関係も、他の国との関係も良くなる筈はあるまい。

昔、世界を股にかけた大手に勤務した友人が話してくれた。彼は学生時代から人付き合いも良かったから 現地スタッフや取引先との関係も良かったのだろう。何だかんだと良いように使い回されて20年以上、本社に戻ってきた時は50歳前後になってしまっていた。結局再び海外勤務を命じられたとき堪忍袋の緒が切れて、辞令を言い渡した専務だったかに向かい「本来だったら、俺がお前が座っているその席にいるべきなのだ。」と啖呵を切って辞めてしまった。

この話のように、外務省という役所も全員が本省での出世だけを見ているようではこの国の外交なんか無きに等しいものだ。

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