2019年8月2日金曜日

仮初の宗主国

既に8月、酷い暑さは当たり前かもしれぬ。1か月前が異常に涼し過ぎただけと思うしかない。異常と言えば、日本よりはるか北に当たるドイツやシベリアの森林火災に比べれば日本は未だ異常とは言えないかもしれぬ。焼失面積が覚えきれないほどの広さで、原状復帰はどんなに努力しても最低100年は要するらしい。SF小説ではないが、地球が得体のしれない魔物に襲われているような気がしてきた。

ここ1、2年毎朝海外ニュースを観続けているせいか、日本は太平洋の端に浮かぶ小さな島国であって、そういった魔物の目にも止まらず、ある意味で幸せだと思っている。同じような条件の国を挙げれば台湾だろう。しかし台湾は香港と同様、中国との関係が微妙で、独立主権国家とは言い難い。国民は否応なしにある種の政治的判断やときには決断を求められる。日本国民には強い政治的プレッシャーは皆無に近い。選挙の投票率が低いのも当然かも。

アメリカの無法な占拠でやや属国に近い扱いに泣かされていることは否定できないが、日本を占領状態においているアメリカ軍は、いざとなれば武力鎮圧も辞さずと言える程強力ではあるまい。自衛隊がもう少しましになれば、逆にアメリカ軍を追い払うことだって不可能ではあるまい。幸か不幸か、戦後70数年日米安保条約の下、日本政府は常にと言っていいほどアメリカに従順であって、香港が本国政府に対するように仮初の宗主国アメリカに楯突いたことは無い。

実に結構なことではあるが、ここに来てアメリカの大統領がトランプ氏になったことで少し複雑な要素が幾つか出現している。一つはアメリカがペルシャ湾で対イラン牽制のため多国籍軍を編成するからと協力の要請、も一つは似たような立場にある韓国との外交がぎくしゃくし始めたこと。前者については今朝の毎日新聞が「自衛艦を派遣せず」と書いたとの話もあるが、果たしてどうなるか。後者は、今夜アメリカが仲裁に入ると報じられてはいるが、諸般の報道からは難しそうな雰囲気。他には核弾頭持ち込みの可能性もある。

共にどうなるか分からないが、今後宗主国モドキのアメリカに対し、日本の主権をどこまで主張できるのか見守りたい。

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