2019年7月23日火曜日

政権のお先棒担ぎ

参議院選挙終了と同時に各党の党首が一斉にテレビでコメントを発するのは当たり前だが、中でも昨日から今日にかけ安倍首相の映像が際立って多くなっている。自民党関係者は当選者数と得票率が大幅に減っているにも拘らず、今回の選挙で負けたとは一切言わない。欧米のジャーナリストは真実の追及を使命と考え、特に選挙が始まるとマスコミが一斉に候補者への質問をより厳しく、ファクトチェックに拍車が掛かるそうだ。

未だ結果の発表に至っていないが、既に投票が終了したイギリスの保守党々首選関連のニュースをBBCで毎日観ていても、それを痛感する。ところが我が国のマスコミ、特にテレビの選挙関連報道は司会或いは報道記者がまるではれ物に触るかのようで、「それはあなたがこれまで言っていた事とは違いますね。」なんてことは間違っても言わない。放送の公平と公正をどこかではき違え、結果的に視聴者をミスリードしている。

選挙期間中自民党はずっと争点を隠し続けてきたことを追及できなかったマスコミの責任は大きいが、過ぎたこととして大目に見ても、選挙が終わる否や安倍氏が「この選挙では憲法改正も大きな争点となった」との発言をそのまま垂れ流す姿勢は全く頂けない。どこの世論調査に憲法改正が大きな争点としてカウントされているのか。喫緊の政策課題として憲法改正を上げている調査は1社も無い筈。

反安倍と称される朝日新聞でさえ今朝の新聞を見ると『「議論を前に進める政党を選ぶのか、それとも議論すら拒否する政党を選ぶのか。それを問う選挙だと繰り返し申し上げてきた」と述べ、自民、公明両党の与党で改選過半数を確保した選挙結果はそうした主張が認められたものだと強調』と書いている。とんでもない話で、自民党広報戦略のお先棒担ぎだ。自民党政権は経済政策も外交政策も、即ち何もかも行き詰まって「憲法改正」ぐらいしか過去のしがらみ抜きに国民に提示できるものが無くなっているのは明らか。

マスコミは池に落ちた犬を叩くのは紳士のすることに非ず、と思うほど紳士でもあるまい。自民党内では次期総選挙を安倍首相では戦えないと思っている議員は相当増えている筈。なのに態々二階幹事長の「安倍4選もありうべし」なんて白々しいコメントを取り上げる。いくら政府の土地を貰っている、消費税を免除してもらっているとは言え、そこまで節操を失ってはいけないだろう。

2 件のコメント:

信州爺 さんのコメント...

senkawa 爺 様

 当地の雲から、うっとうしい梅雨ももうすぐあがる気配を感じます。
面白くもない参議院選挙でしたが、こんなものなのだろうと思った通り。
安倍首相への腹立たしいことを三つ、
一つ、あきれるほど中身のない御仁だということ
二つ、政策の何もかもが支持されたと語る図々しさ
三つ、「悪夢のような民主党政権」どこが悪夢だったの?
いい始めればきりがない。
貴兄のマスコミへの批判に同感です。

 信州爺

senkawa爺 さんのコメント...

信州爺 さん
本当にやっと梅雨が明けそうですね。
来年の今頃はオリンピックだそうですが思いやられます。
態々ご賛同のコメントをありがとうございます。
この人物を6年間も首相として担いだかと思うと恥ずかしくなるばかりです。
貴兄のご指摘は全くその通りです。