ぬるま湯の中で

アメリカにトランプ大統領が出現したことで、日本の安全保障問題最大の課題であった北朝鮮に対するアメリカの武力行使の可能性が大幅に低下したことは大いに喜ばしいことだ。しかし一方ではトランプ大統領の奇妙な論理のせいで別の国に新たな戦争の脅威が高まっている。これらの問題は紛争当事国だけの問題ではなく、地球規模の新たな冷戦、即ちアメリカ対ロシア、中国の対立激化と言う新しい問題を提起し始めている。

日本はアメリカの子分だからこの冷戦から無縁ではいられるはずはない。マスコミは殆ど取り上げていないがロシア政府の高官が「ロシアにとって今最大の脅威は日本である」と言ったらしい。国防能力に大いに疑問を感じていたので少しくすぐったい感じもするが、真面目に受け止めるべきかもしれぬ。対ロ問題でマスコミが関心を示すのは北方領土返還交渉問題だけだが、この発言は北方領土問題にも大きく関わってくる筈だ。

米朝首脳会談にしても同様、日本ではもう熱が冷めたのか、日韓関係悪化の影響かあまり大きな扱いは受けていない。拉致被害者のことなんて皆忘れたかのようだ。米中経済協議も殆ど他人事で、日米経済協議への影響だけが心配そうな気配だが、米中の経済摩擦による世界経済の失速が日本に与える影響の深刻さについての心配の声はこれまた余り聞こえてこない。

今年に入って世界情勢は何となくきな臭い動きが沢山あるが、極楽日本ではやっと国会が始まり世界観とは全く無縁の井の中の蛙かコップの中の嵐か、国会議員どもは昨年来聞き飽きたようなうんざりする言い合いを続けている。粉飾や嘘をつく人間は、一種の病気でもある。まして権力者が嘘を言い始めたら、幾ら露見しようと非権力者に詰め寄られようとそれを認めるはずも無い。有権者は病人を代表に選ぶべきではない。

権力者寄りのマスコミは相変わらず明るい日本をアッピールすべく、訪日観光客が増えているとか10連休の海外旅行者が過去最高と言って囃したて、何とか来年のオリンピック開催まで好景気を演出するに躍起である。へそ曲がりのせいか、国の根幹が粉飾されているとすればそんな陽気でいられない気分である。小耳にはさむ実感として日本の経済や産業状態は危機的だ。しかし、我が世の春を謳歌する人もいるのが世の中と言うものだろう。

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