2019年2月19日火曜日

中国人のこと

他人も同じかどうかは分からないが、己を客観的に見ることの難しさ、とにかく自分のことは分かり難いものだ。自ら向上を目指す囲碁は、負けが込む一方だし、体力の劣化も儚い抵抗ばかりが続いている。いい加減にやめろと注意する女房が居なくなったので他人の悪口雑言を書き綴る毎日のマスターベーション。これに如何なる意味があるか、少し真面目に考えた方が好いかもしれぬ。三つ子の魂と言うことがあるが、他人への迷惑ばかり、精神年齢だけは幼児のままのようだ。

もう10日余り前のことになるが、NHK・BS1スペシャルで放送された「中国の改革開放を支えた日本人」を興味深く観た。この番組は1970年代半ばの土光経団連会長と稲山新日鉄会長にスポットを当てた番組である。明治生まれの財界人が居なくなった現在、彼等に敬意を表するに吝かではないが、最も興味を覚え、尚且つ冒頭に書いたように己を反省する気になったのは、支えられた中国側の人々である。

中で最も偉いと思ったのが最高指導者の鄧小平氏だ。彼が日本を初めて訪れた時のことは、既にテレビも新聞も発達していたのだから記憶に鮮明である筈だが、今回の放送で初めてか改めてか知らぬが気づいたことが多い。最も印象的なのが鄧小平氏の次の言葉「我が国は日本に比べ相当に遅れているから、真剣に学ばねばならない。」言い回しは違っているだろうが、彼は中国経済があらゆる面で日本に比べ相当劣っていることを率直に認め、戦後僅か20年で復興した日本から多くのことを学ぶべきと国民に呼びかけたのだ。

帰国後の全人代で例によって全国から指導者数千人を集めた演説で語った話が面白い。「ブスが化粧して美人に見せようとしても、ブスは決して美人になれない。」共産党による支配構造の中で頂点まで上り詰めながら、足元の現実をよく見たものだ。国家の何かを反省し、これを根本から変えたいとの思いが伝わってきた。おバカなくせに利口ぶり、お化粧ならぬ詭弁と虚偽で繕う努力を続けている隣国日本、嘗ての教師だった国家の現実を鄧小平氏が見ることが出来たら、どんなアドバイスをくれるだろうか。

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