2018年11月29日木曜日

歴史の根深さ

外交問題だからどこに問題の根っこがあり、何が是であり否であるか難しくて判断できないが、昨今の日韓関係でとても気になっていることがある。日本政府のもの言い方に明らかな上から目線を感じることだ。韓国は昭和26年のサンフランシスコ講和条約の際に戦勝国の1員となることを主張したものの当時連合国側をリードしていたアメリカ政府によって「日本軍として戦ったのだからそうはいかない」と拒否され、条約にサインしなかった経緯がある(韓国の言い分を認めると日本の賠償額が莫大になりすぎると同情してくれたらしい)。

そして昭和40年に日韓基本条約が結ばれるまで様々な交渉経緯があるようだが、この条約締結に際しても日本側は植民地支配を認めず、そこは玉虫色のまま両国間の請求権の完全かつ最終的な解決、それらに基づく日韓関係正常化などが取り決められた。とされている。従って日韓関係は非常に根の深い問題を抱えていることだけは間違いなさそうだ。

韓国人と同級生になったのは大学に入ってからのこと、後に知ったが彼は帰化せず韓国籍のままだったようだが、帰化人のつもりで付き合っていた。もちろん彼が戦勝国人風を吹かせることもなければ、こちらが卑下することもなかった。社会に出てからいろんな場面で韓国や北朝鮮国籍の人と付き合うことがあったが、皆日本語がうまいので付き合いやすい外国人との印象が強い。韓国の人口は日本の半分以下だが、男性の殆どが軍隊経験者だ。スポーツが強いのもそのせいではと思うし、更に長幼の序に対する意識が日本人より遥かに強い。

他にも日本人とはどこか違うので、敬意をもって付き合う人が多い。だから政府高官の物言いが気になるのだ。数日前BSフジの「プライムニュース」で日韓問題の特集があり、日本人代表で自民党参議院議員松川るいさんと言う女性が出ていた。経歴を見ると、東大から外務省出身で外国語は英仏韓中の4か国語を使うエリート。議員としては1年生であっても優秀な人であることは分かる。

話し方も自信たっぷりなのは結構だが、番組中に韓国人出演者に対する発言「日本は韓国に対してずーっと謝り続けてきたではないですか、どこまで謝ればいいのですか?正直に言えばもう飽き飽きしているのです。」があってこれに相当な違和感を覚えた。「いい加減にしろ!」は喧嘩の常套句。確かに昭和22年小学校入学以来、日本が朝鮮を植民地化して独立主権国朝鮮に対して迷惑を掛けたとは一度も教えられたことは無い。

彼女もそうだろうが優秀だから歴史はよく分かっている筈。我々の少年時代は日常的に彼等を馬鹿にしたような言動があったのも事実。しかし40代女性にも同様な言動が見受けられるのだから歴史は根深いものだ。

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