判断基準

自宅のキッチン代わりとして馴染みになった飯屋の親父が、料理をしながらよく見かける60は楽に越していそうな婆さんと言うか小母さんの話を聞いてやっている。夕方の店をオープンして間もない6時前後のことで他の客は俺一人だけ。小母さんも独り者のようで、アルバイト帰りに自宅で夕飯を作るのが面倒なんだろう。店の片隅にあるテレビは政治関係で安倍総理の顔が大きく映し出されている。

小母さん「この頃この人の顔色が悪いねぇ。政治のことはよく分からないけれどさぁ、煮えたか沸いたか分からないことばかりでいい加減にしてもらいたいよ。野党もよく分からないしねぇ。」
オヤジ「そうですねえ、次の選挙の投票先難しそうですね。」
小母さん「この前テレビで田中角栄のことやっていたけど、あの人は偉かったねぇ。第一風貌が良い、男らしいわ。」
オヤジ「でもあの人は凄い賄賂を取ったのでしょう。」

ソツのないオヤジは政治向きの過激な話題は巧みに避ける。些かそっけない反応に小母さん少しご不満だったのだろう、かぎ型のカウンターで少し離れて座っていたこちらを向いて同意を求めてきた。

「仰る通り、角栄さんは安倍さんよりは国民のことを考えていたと思いますよ。第一、オヤジさんの地元じゃないの、大いに自慢して良いと思うよ。5億円の賄賂なんか今の政治家の出来の悪さに比べれば大したことないよ。」

このオヤジ、角栄氏の地元とは言えないらしいが、越後は十日町(一山超えれば我が信州)の出身。未だ60歳だが料理は安くてうまい。裏方の嫁さんは角栄を誉められて悪い気はしないようだ。小母さんもこの一言に我が意を得たのだろう、こちらに向かって喋りが一層なめらかになる。

「そうですよ、誰か言っていたけど総理を1回すれば孫の代まで楽に食べられるそうよ。総理は全員なんかの方法で蓄財しているのよ。そんなことより角栄さんの偉いところは決断の早さよ。責任は俺がとるからすぐやれ、と言える政治家が今いる?政治家の話は簡潔で、分かりやすくなくてはいけない。難しいこと言われても分からないのだから。その点親譲りで小泉進次郎さんは好いね。まだ総理には早いと思うけど顔も良いし・・・」

進次郎が嫌いだと水を差すわけにもいかず拝聴を続けたが、理屈での説得は難しそうだ。政治だけでなくブログも簡潔でなければいかんのだろう、反省だ。

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