2018年3月13日火曜日

揺るがしかねない?

世界に独裁国家は多々あるとされているが、北朝鮮はその典型例だろうと思う。その独裁者の金正恩は大分変わり者、変質者かと思っていたが、このところの報道を見る限りそう断言していいかどうか疑問を感じ始めている。こちらから見る限り、独裁で国民に苦難を強いる一方自分は贅沢三昧で痛痒を感じていない様子。これでよく反乱が起きないものだと不思議でならないが、若くして転がり込んだ権力を手にして以来、未だ7年、少なくとも2千万人か3千万人の国民を一定の方向に引っ張っていることだけは確かだ。

一方我が日本、他国から見て独裁国家と断じる人がいるかどうか分からないが、独断と偏見をもってすれば、現在の日本は安倍晋三の独裁国家とも言える。安倍氏もここ1,2年はそう思っていたことだろう。誠にご同慶の至りだ。しかし前回書いたように大分雲行きが変わってきた。世間で識者と言われる方の中には潮目の変化を認めず、未だ容易に安倍1強体制は崩されないと信じているのか希望しているのか分からない態度の人も多い。相対的問題である弱体野党を甘く見て高を括っているのだろう。

そのような流れを見ている裸の王様の安倍氏は、今回財務省の公式文書が改竄された事実が明らかになっても「行政への信頼を揺るがしかねない問題」と暢気になことを言っている。マスコミは「何が、しかねないだ?」とは反射的には切り返せないのか、兎に角仰る通りを垂れ流している。こんな現実は許すも許さないもない。常識ある人であれば、野党が言うように、少なくとも昨年2月以降の国会審議も選挙もすべて無効、とまでは言わなくとも、賛成したくなっても不思議は無い。政府関係者や与党議員は仕方ないが、マスコミの中でそういった意見に与する者は相変わらず少数だ。

政権擁護派は財務省の公文書改竄を単純な犯罪として、よって来る原因とは別問題として処理できると踏んでいるらしい。この理屈が通れば政権にとっては結構なことだろう。マスコミ報道は政権側見解を了とする人間と否とする人間を対等に扱うので、視聴者、読者は理屈の問題かと勘違い?するに違いない。先に対等にと書いたが、マスコミの露出頻度は正確には分からない。市井の人は反体制を良しとしないので体制側に知らずに寄せられてしまうだろう。衆寡敵せずということもあり、政府は何を言っても数が多い方の意見が必ず通ると思っているのだろう。理屈と膏薬はどこにでもつけることが可能なわけだ。

反政府側に偏る人も、この事実を根幹に結び付けるのは容易ではない、と必ず敷衍する。そんなことから結末を予想すると悲しいが、これを奇貨として追及を続ける弱体野党と何かと評判が悪い朝日新聞には敬意を表したい。

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