2017年12月6日水曜日

不思議な話

昨日夕刊に不思議なニュースが掲載された。見出しは「スパコン開発会社長ら逮捕 助成金4.3億円詐取の疑い」逮捕されたのはスパコンの開発会社「PEZY Computing」(東京都千代田区)の社長、斉藤元章容疑者(49)と同社元取締役、鈴木大介容疑者(47)の二人。逮捕したのは東京地検特捜部である。特捜部によると、2人は2014年2月、同社が選定された「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の12年度の研究開発費補助事業で、約7億7300万円の費用がかかったと水増しした実績報告書を出し、同年4月、助成金名目で約4億3100万円をだまし取った疑いがある。特捜部は5日、同社や関係先を家宅捜索した。

要するに、容疑者は経産省扱いの政府補助金申請に当たって、見積もりを水増ししたとの疑いである。昨日午後「朝日新聞DIGITAL」でこのニュースを知り、容疑者と会社について少し詳しく調べてみた。調べれば調べるほど疑問が深まるばかりだ。「新エネルギー・産業技術総合開発機構」の補助金については直接関わったことは無いが、友人知人で補助金を貰った者が多いので仕組みについては大凡見当がつく。また、個人的には(NEDO)に似たような経産省の外郭団体から補助金を貰った経験もある。

12年度と言えば東北大震災の翌年、復興も絡んで霞が関には大量の予算が付いたことだろう。そのことはさて置いても、この見積もりが過大だったということは(NEDO)職員にしか特定できない。しかし補助金申請の査定は組織内部で何重にも厳格な審査を経なければならない。このスパコン開発会社が4億強の補助金を受理できたのだから、相当多数の人間が見積もりを認めている筈だ。5年も前の話だから、関わった上部の人間は殆ど退職しているだろうが、相当上まで責任が問われなければならない案件の筈だ。

今日の続報では12年以降も同様の手口云々とある。特捜部が捜査に乗り出しているのだから当時の経産相かもっと上位者まで視野に入っていても不思議はない。特捜部の視野は兎も角として、事件の発端は内部告発以外にあり得ない。司法官僚がスパコン制作の見積金額を検証する能力なんか無いに決まっている。逮捕された容疑者は医者が本職だったようだが、今やAI分野でも世界的に認められている天才肌の人物のようだ。当時話題になったスパコン「京」は国家プロジェクトで1千億円以上がつぎ込まれている。

国が焼餅を焼いて個人攻撃したようなことでなければいいが。

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