2017年11月22日水曜日

馬の耳に念仏

既に多くの有権者は感じていると思うが、現在の日本は3権分立が担保されずに行政が突出し、わけても官邸の意思が立法府や司法(裁判)に大きな影響を持つに至ってしまった。原因が選挙制度によると言う人もいる。現実問題として、有効投票数の30%足らずで3分の2を超える議席を確保できたのだから、そう言いたくなる気持ちは分かる。しかし現行制度に文句をつけてもなぁ。

せめて立法府においては、与党に丁寧な議論に応じる姿勢、貫録を示してもらいたいものだ。先週末の総理所信表明を皮切りに始まった国会議論を見る限り、この期待はとても叶えられそうにない。まだ所信表明に対する野党々首の質問が始まったばかりだが、総理の答弁は何を聞いてもまともに答えない、或いは「木で鼻を括る」答弁に尽きている。しかも腹立たしいのは昨日の無所属の会の岡田克也氏への答弁、<盗人猛々しい>を絵に描いたようだ。

岡田氏が野党の意見にも耳を傾けるよう訴えたら、ぬけぬけと丁寧に答えたものだ。以下新聞記事からの引用:「批判に終始するのでなく、与野党の違いを超えて相手の主張にも謙虚に耳を傾け敬意を払い、良い提案については取り入れる」と岡田氏の言葉をなぞって答弁。最後に「ぜひ無所属の会の皆さんとも正々堂々、建設的な議論を行わせていただきたい」と締め括った。:引用終わり。テレビ中継を観なくても光景が目に浮かぶ。相手を小ばかにしているのだ。

総理は所信表明にしても質問に対する答弁も、終始官僚が用意した原稿を読み上げているが、この部分はどのように準備されたか知りたいものだ。話が飛ぶが、国会より騒ぎが大きい相撲界のことに触れたい。横綱審議委員会が定める横綱推薦の内規は4項目あるが、トップは「横綱に推薦する力士は品格、力量が抜群であること。」である。更に「品格」の基準を次の事項で判断するとしている。

1.相撲に精進する気迫。2.地位に対する責任感。3.社会に対する責任感。4.常識ある生活態度。5.その他横綱として求められる事項。
相撲興行でさえここまで考えている。比較して政治家の何といい加減なことよだ。誰か総理審議委員会でも立ち上げてくれ。

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