2017年10月11日水曜日

報道の使命

選挙戦が始まったせいだと思うが、最近どうも景気がいいような報道が相次いでいる。日銀支店長会議での景気判断は全国的に景気向上中とか、政府は5年連続の好景気継続中と発表をして経団連もその通りだと言っている。又それを裏付けるかのように株価も連日高騰を続けている。正にご同慶の至りと言うしかない。そこで安倍総裁以下与党候補者が力説強調するのは、野党が政権を持っていた時代に東北大震災が発生し、当時の民社党政権はなす術を知らず手をこまねいていたので、経済がガタガタになった。それを自公政権が立て直して今日に至った功績である。

曰く「民社党政権当時は為替は円高で輸出が落ち込み、関連する中小企業は倒産の危機に瀕し、GDPは500兆円割れまで落ち込み、求人が減って求人1名に対して2人の求職者だから一人は失職せざるを得ない状況でした。そんな悲惨な状況から安倍政権はアベノミクス経済政策適切に行い、GDPを50兆円拡大して、求人は全都道府県で倍率1以上、即ち働きたい人には必ず職がある状態にまで持ち直すことになったのです。」

横文字GDPはよく分からないが、国内総生産なるものが拡大すれば国民が豊かになっても不思議はない。大したものだと感心しながらも一応少し調べさせて頂いた。その点パソコンは便利である、GDPで検索すると政府統計をすぐ確認できる。http://ecodb.net/country/JP/imf_gdp.html実質GDPの推移で見る限り、民社党政権時代の2009~12年は472兆円から498兆円だから500兆円には届いていないが、それ以前500兆円を超えたのは2007年リーマンショック直前の504兆円だけである。

2017年4月までの統計は528兆円、12年498兆円との差は30兆円で、どう見ても50兆円増えているようには見えない。次に賃金のデータは細かく書かないが興味ある方は下記を参照願います。
http://www.nippon-num.com/economy/actual-income.htmlいつも書く通り経済音痴なので間違った統計を見ている可能性もあるが、平たく言って2012年から今日に至るまで賃金は上がっていないどころか下がり続けていると言っても過言ではないと思う。

IMF(世銀)のデータで2012年と2016年のGDPを比較してみると、日本はドルベースで1兆ドル程下がっている。アメリカは16兆ドルから18、5兆ドルへ、中国は8.5兆ドルから11兆ドルへしっかり上がっている。
https://www.globalnote.jp/p-data-g/?dno=8860&post_no=1409
素人が見ただけでも経済は劣化する一方が実態で、庶民の暮らしぶりが良くなろう筈がないように見える。

冒頭に掲げた最近の報道はどこかおかしい。日本経済や景気はかなり悪くなっているのではないか。政権当事者が嘘っぽいことを並べてるのは仕方が無いにしても、マスコミが政権の幇間を演じては困る。真実を分かりやすく伝えるべきだ。

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