2017年7月6日木曜日

修学旅行と思って

昨日、安倍首相は夫人を同行して政府専用機に乗り込み旅立たれたようだ。どちらに向かわれたか新聞で確認すると、ドイツで開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて欧州6カ国を歴訪するため、と記載され、帰国は12日を予定している。首相のお仕事を下々の末から想像するのも恐れ多いが、新聞に報道されている昨日の首相動静からすると10:15に官邸にご出勤、官僚の異動時期のためだろう、佐川宣寿国税庁長官をはじめとする主要官庁の新任次官・局長クラス20人近くの挨拶を受けている。

物語風に書けば「王様が新しく取り立てた部下多数から、改めて忠誠の誓いを受けました。」てなことだろう。その後お昼前に青山葬儀場に赴き故与謝野馨氏「お別れの会」で弔辞を奉読。慌ただしく読み上げる美辞麗句は、これを専門とする部下が、首相の読み違いないことに十分配慮して準備したものに違いない。昼食は抜きになったのか、午後は0時46分、東京・富ケ谷の自宅、1時44分、羽田空港、2時19分、政府専用機でベルギーに向け同空港発。ドイツのハンブルグという町で開催されるG20会議の前にベルギーに行く意味もよく分からないが、ブラッセルはEU本部所在地だからそこにご挨拶ということか。

そもそもG20サミットなんて会議に出席するのはどこの国か、全て言える人はテレビのクイズ番組の常連さんくらいのものだろう。安倍首相にしても19ヵ国首脳との顔合わせの意味が本当にあるのかどうか相当に疑わしい。しかし仲良しのトランプちゃんやプーチンちゃんと会って互いの健康を祝福できれば、と言うことはあろう。あまり仲が良くない習近平ちゃんからは「体の調子が悪いそうですが、どうぞお大事に。」くらいの嫌味を言われるのかなぁ。どちらにせよ公式行事は外務省の官僚が用意したスケジュールに則り、得意な英語を駆使したりしてカメラ向けの演技に終始することだろう。

安倍氏は、外国の政治情勢を深く分析することも無く、金さえ持っていけば歓迎されると考える以外、何を考えているのか分からないと言えるほどの外交音痴。この長い海外旅行にも特段の外交課題は思い当たらない。それとも北朝鮮を近い将来この会議に招聘すべく、米露中韓の首脳と個別に秘密交渉でもできれば褒めたいが、そんなことは間違ってもあり得ない。

一方国内的には多くの課題が中途半端なまま手付かずに残る。その根本で、本人の政治姿勢が問われていることは十分自覚はしているだろう。この時期によくものんびり海外旅行なんかするものよ、と腹も立つが首相の卒業旅行と思って我慢しよう。

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