2017年7月5日水曜日

贔屓の引き倒し

事の善悪は別としてメディアの政治的旗幟が鮮明になりつつある。BSなので視聴者は少ないだろうが、昨夜のBSフジ「プライムニュース」を観ていて情けなくなった。報道局解説委員の反町理氏が司会を務める番組で、都議選の結果を受けて与野党(自民、公明、民進、共産)から1名ずつ国会議員の出席で各党の思いを述べ合った。2時間番組なのでテレビ番組にしては丁寧に意見が聞けるので比較的観ることが多い。

自民党から出席した平沢勝栄氏は党の広報本部長だそうで、役目柄とは言いながらあまり有り難くないテレビ出演に同情してあげたい。公明党の言い分を聞きたかったのだが、斎藤鉄夫氏は全勝について感謝の弁に続いて反自民の立場に至った言い訳ばかりで、後はお決まりの「国政においては政権与党としての立ち位置に何の変化もあり得ない」だから面白くもなかった。今調べると斉藤氏が清水建設出身のエンジニアと知ってびっくりでもある。

野党は民進の松原仁氏、選挙戦での戦犯であるより、民進党の存在意義をどう立て直すのか。氏自身が語る解党的出直しより解党の方が分かり易くも思えてくる。共産は小池晃氏、相変わらず歯切れがいいし、いつもに増しての落ち着いた口調だったのが印象的だった。何れにせよ次回の国政選挙では、野党側がどのような受け皿を用意できるかが勝敗の決め手になるだろう。小池都知事は嫌いだが、今回成功を収めた短期間での受け皿づくりは天晴と言わざるを得ない。

政治家は初めから思想信条の違いは勿論だが、立場もあって言うべきこと、言ってはいけないことがあるのは分るが、問題は司会者反町理氏だ。フジテレビの報道が自民党寄りであるのは大分前から社是のようでもあるので良いのかもしれぬが、それにしても昨夜の司会は酷すぎた。司会の身でありながら、先ず出席の政治家に問う形で「今回の都議選に関する報道の在り方に問題があったのではないでしょうか。」と盛んに仕掛けた。

しつこいまでに何度も聞くが、誰もがその問いかけは無視した。当然自民党から「報道のバッシングが行き過ぎていた」と言わせたいのが見え見えだが、流石に平沢氏もそんな挑発には乗らずに全くの無反応。慌てた反町氏今度は矛先を野党に向け「無いことを証明するのは悪魔の証明と言われ不可能です。閉会中審議なんかしても、片方は無いと言い、片方があると言っていてはどこまで行っても永遠に交わらないで不毛です。如何ですか?」と言ってのけた。

視聴者からすれば審議を尽くすことが何で平行線になるのか分からないが、テレビ局の報道局解説委員ともなれば先を見通す力が相当なものらしい。自民党を応援する熱意は分かっただろうが、平沢氏にしても有難迷惑だった可能性はある。

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