米中首脳会談報道

我が国は嘘をつくことについて極めて寛容な国である。「国会に証人喚問でもされない限り嘘をつくことは罪にならない。」と平気で言うメディアと解説者のなんと多いことよ。そのせいかどうか知らぬが、内閣(政府)は息でも吐くように平気で嘘をつく。マスコミも身に覚えがあるせいか、明らかな嘘でも深い追及はしない。このように真実味の薄い報道にばかり接して些かうんざりしていたが、今朝の米中首脳会談の報道を見て少しほっとした気分になった。

会談は準備も本番も相当な時間を掛けて念入りに行われた筈だ。当然ながら本番の中身も相当濃いものがあったに違いない。しかし共同記者会見が一度もなかった。更に輪をかけて、1日目の歓迎夕食会(このメニューがまたご粗末なことにびっくりだ)の最中か後か、何れにしてトランプ氏側以外の誰も予想しなかったタイミングで、アメリカはシリア政府空軍基地をミサイル攻撃をしてのけた。当然招待されていた中国にも知らされていなかった可能性が高い。

アメリカのミサイル攻撃については世界の世論が割れている。当然だろう、大統領就任以来世界に向かって「外国の紛争にかかわる余裕は無い」と宣言し続けていたにも拘らずである。シリアで化学兵器が使用されたとの報道が出るや否や、シリア政府軍による許されざる暴挙と決めつけ、電光石火の如くミサイルをぶっ放した。どうしても、アメリカ大統領が不人気挽回のため使うやらせ、ジョンソン大統領のトンキン湾事件やブッシュ大統領のイラク侵略を思い出してしまう。

この振る舞いにも関わらず、中国側は平然たる態度を崩さずに、殆ど予定に近い日程をこなしたかのように見える。ひょっとしたら共同記者会見がなかったことは予定外だったかな。トランプ氏は自分の目標は何一つ叶えられていない、しかし「我々は米中関係におけるとてつもない進展を成し遂げた。」と述べ、習主席はトランプ大統領の温かい言葉に対し、「この首脳会談に他に類を見ないほど重要な意義」があったと述べて謝意を表した。と報道されている。これは外交上のプロトコル(標準手続き)だろうから目くじら立てるには及ばない。

今日の報道だけでは、哲学の異なる首脳同士が会談を持った意味をどう捉えたらいいか、俄かに判断しかねるが、会談の中身が空疎でなかったことだけは想像できる。何をしでかすかわからないアメリカの新大統領に慌てふためいて面会を乞い、米中首脳会談に匹敵する待遇を受けて、媚へつらいにに終始した我が首脳の会談。それを良しとしたマスコミは、今回の首脳会談を中国側の期待が見事に裏切られたと喜んでいるようだ。

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