この週末は総理閣下のトランプ氏との会見でマスコミが盛り上がっているが、マスコミとは偉いものだ。この現象について手を変え品を変え日本政治あるいは日本政権の大事件であると仕立て上げ、今後日本人の生活に重大な影響をもたらす日であったかのごとく報じている。この会見によって日米関係が強化され、日本の平和とアジアの安定に資するところが大であるなら大騒ぎする価値は当然あるだろう。テレビに出演する評論家や与党系の政治家諸氏もそうであることを力説強調している。数か月か数年後には実態を踏まえた評価が出るのだろうが、変わらぬことを祈りたい。
たまたま今週読んだ何かの本に書いてあったが、<マスコミが偏向している>と目くじら立てて怒ってはいけないのだそうだ。マスコミが権力者にすり寄って偏向するのは、両者が持ちつ持たれつの関係にあることを考えれば当たり前、洋の東西でも大差ないらしい。仕方ないことと考えて読めばいいだけのことらしい。洋の東西は措くにしても日本では明治時代までは新聞を発行する人はかなりの知識人であり、読者を啓蒙する意図をかなり明確に持っていたようだ。社会の木鐸と称せられた所以もそこにあるのだろう。
当然読者は増える、その傾向が続いたどこかの時点で発行者の志も変化して商業主義の道に入り込む。そこに権力者側も付け込み現在のような癒着関係が形成されていったことは自然と言えば自然かもしれぬ。幸い最近は暇な身分なので新聞テレビも見るが、ネットにも同じくらいの時間を割いている。思うのは、ネットの情報は玉石混交であるが、マスコミが取り上げたほうがいいと思う情報も少なくない。
例えば安倍・トランプ会談一色の裏側で行なわれたオバマ大統領ドイツ訪問、大統領は英国も含めEU各国の首脳と会見をした。その内容をマスコミはどこまで取り上げたか?去りゆく大統領にメルケル首相は心からの寂しさを訴え、大統領は首相の協力を称え良い仕事ができたことの感謝を表している。(因みにメルケル氏は米大統領選でトランプ氏が当選した後の記者会見で、民主主義や自由、出身や肌の色とは関係ない人間の尊厳といった米独が共有する価値観に言及。「こうした価値に基づき、緊密に協力していきたい」と述べ、過激発言を繰り返してきたトランプ氏をけん制した。 )
時を同じくして金ぴかの御殿に招かれ、良い仕事ができそうだと喜んでいるような人と友達になりたくないが、政治の世界は別なのか。
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