2016年9月13日火曜日

福沢諭吉&徳川家康

昨日発表されたNHKの世論調査結果での内閣支持率が56%(+4%)、不支持率26%(-8%)であった。内閣にとってはご同慶の至りだろうが、何が故にそんなに支持率が上がるのかさっぱり理解できない。少なくとも政策的に成功を収めつつあるものは何一つ無いと見るのが当たり前のように思うのだが、どうも世間の受け止めと相当感覚がずれてきてしまった。

一つ言えるとすれば、支持率が高い→少々の反対意見は無視して己の望むことを強引に推し進める→それがまた支持率を高める。この図式だけは当たっているかもしれぬ。たかが年寄り一人の嘆きだが、無視される側に回っている者にとっては悲劇そのものである。最初からこの世はままならぬから「たかが一人」とタイトルを振るくらいだから諦めてはいるのだが。

この動きの行き着く先は賢人の意見を聞かなくても分かっている。「脱亜入米」が加速するだけだろう。曲がりなりにも慶應義塾大学を卒業させて頂いたので福沢諭吉先生を尊敬している一人だが、福沢先生のお考えで少し賛同しかねるのは先生の「脱亜入欧」。朝鮮や清のような後進国に引っ張られて我が国が共に列強に浸食されたのではたまらん、いっそ欧米の文明文化を取り込んで彼らと並び立つ。とのお考えは江戸末期の考え方の一つとして、一概に否定できないかもしれないが、後にブレーキが利かなくなって、結果的には昭和の敗戦に繋がった事実をどう考えるか。

一億人からの国民を抱える一国の方向性の決定とは、一朝一夕で変わるものでもないし変えるのは難しいものだろう。政府は国民年金の預かり金運用を25年の長期で考えていると胸を張るところを見ると、俺はお前らと違って長期で物事を判断しているんだ、と言いたいようだ。こちらは命があと何年持つかの瀬戸際なので、本当はそんな余裕が無いのだが、面白半分で考えてみた。平和な徳川時代が約250年続き、国民にどんな不満が鬱積して爆発したかよく知らぬ。兎も角約150年前の明治維新で体制が一新された。

それから現在まで148年。途中の71年前に、戦争に負けてまた体制が一新した。否、人によっては一新でなくて半新程度と言う人も居よう。でも戦時色的が完全払拭されて平和国家が建設された格好だから一新であろう。安倍さん一派は「もう十分だろう」と考えている訳だ。昨夜婆さんが「比べては悪いけど、安倍さんに比べると徳川家康と言う人は偉いわね。」としみじみ言っていた。余り好みの武将ではないのだが、言われてみればそうかもしれぬ。

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